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五十鈴学校の探偵たち  作者: 兄丸 獣一
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第3章 森の謎の答えと三匹の獣

 乾と未々と愛の三人の力を合わせ見つけた今回の事件の最重要人物、いや最重要生物のもとに今四人の探偵はたどり着いた。

「何故カラスだと思うんだい?」

「えっ・・・?」

「犯人だと思っているのだろう?」

 横にいた丹田先輩が乾に訪ねてきた。

「ええ。思ってます!」

「その根拠は?」

「言っちゃえば結構シンプルっすよ?」

「構わないよ。聞かしてくれ、君の推理を」

 汐先輩はそう言って微笑みかけた。俺が女子だったらうっとりしてたかも。

 ちなみに愛は乾をじっと見て「早く言いなさいよ!」と言わんばかりの表情。で、未々は同じくジッと見てはいるが違うのは『ドキドキ』という効果音が聞こえてきそうな純粋な少女の顔だ。

「いいっすけど、まずは取られたモン取り返して、そんでもって部室で話しますから」

「え~、つまんない・・・」と愛は言い。

「・・・・・・分かった・・・」と未々は少し残念そうに。

「ふむ、楽しみは後で・・・か。君はイチゴのショートケーキのイチゴは最後に食べるタイプかな? 分かった楽しみは後でということで」と汐先輩も冗談混じりに茶化しながらもわかってくれた。

 ちなみに乾は苺ショートが嫌いだ。というか甘いモノが基本的に苦手だ。

 そんなことは置いといて――。

 乾は目の前の少し大きな木をよじ登り始めた。自慢じゃないが乾は木登りがそんなに得意じゃない。

「気をつけてね・・・」

「さっと、ぱぱっと取り返して来なさいよ」

 同じ女子なのになんで掛ける言葉がこうも違うかな。とか思いつつ乾は上へ上へと登っていった。

 汐先輩は心配そうな表情でこちらをジッと凝視している。

「もう少し・・・もうちょい・・・」

懸命に登っていき乾はカラスの巣がある場所にたどり着いた。そして、見つけた。

「これだな・・・」

そういって乾は巣から例の三つの紛失物を手に取り、ズボンのポケットに詰め込んだ。




                #



 ――探偵部部室――

「まさか、カラスが犯人だったとはねー」

 愛が丹田先輩が入れてくれた紅茶を飲みながら言った。

「でも、なんでカラスさんは人の物をとったんだろ?」

 未々も同じく紅茶を啜りながら聞いてきた。

「僕もそこに興味があるね。聞かしてくれないかな?」

 お茶菓子を用意しながら汐先輩も話に参加してきた。

 お留守番をしていた世美先輩も、小説を読みながらも耳をこちらに傾け話を聞いているようだ。

「じゃあ、言いますけど・・・先に言っときますけど俺『勉強出来ますアピール』とかじゃないですから」

「前置きはいいから、早く言えってーの!」

 愛に急かされた。周りもそうだそうだと言わんばかりの表情だった。

「生物担当の葛西が前に授業中に言ってたのを思い出したのが鍵だったんんだが、カラスには光るもの、正確には光を反射する物を巣に持って帰る習性があるって。それでピーンと来た、盗まれた物の特徴を・・・」

 そこまで言われて皆気づいたようだ。今回盗まれた物はみなその特性が合致するものばかりだ。

「《光無の森》の本来の名は《闇羽の森》。その由来は、あの森にはたくさんのカラスが生息している事からだとクラスの誰かが言ってた」

 未々がそう言った。

それに続けて乾は言った。

「物が盗られた場所、犯人の動機。これが俺の推理です」

 そう言って乾は近くに有った椅子に座り、汐先輩が入れてくれたコーヒーを飲んで一息ついた。

「そういうことだったんだ~!」

「私は最初から解ってたわよ! ホントよ!」

 未々は納得し愛の奴は『知ってた』アピールだ。そして、先輩たちの反応を伺うと――。

「いい推理ね。そうだと私も思うわ」

「僕も部長に同意だね! お見事!」

 世美先輩に汐先輩も乾の推理に賛同してくれた。乾は心から嬉しかった。

 自分たち以上に探偵として実力がある二人に褒められたのだから。

「俺、回収したブツを持ち主に返しに行ってきます!」

 そういって乾はカラスの巣から押収した物をもって、部室を勢いよく出て行った。

「あれ、でも今放課後・・・」

 未々がボソッと言い放った一言に高女が反応した。

「あのバカ犬、部活やってない人だっているのに。ちょっと待ちなさいよ!」

「待って~?!」

 高女が乾の後を追って、さらに二人を追って羽沙も部室を出て行った。

 部室に残っているのは部長と副部長だけだ。

「面白いねー、あの三人!」

「ああ去年までは僕たち二人だけだったからね・・・」

「でも、いまは五人だよ」

「そうだね。これからが楽しみだよ」

 その時、・・・。


 プルルルルル・・・・。


 部長の携帯電話が鳴った。

 ピッ・・・。

「もしもし。あ、亜依那。元気にしてる? 私と汐君は元気にやってるよ。面白い後輩が入ってきてくれたからね! えっ、そっちもそういう感じ? 楽しそうだね・・・・・・・」

 

 これにてひとまずこの話は終わりを迎えたのであった。  



どーもー、お初にお目にかかります。兄丸獣一です。

こんにちわー。こんばんわ?


さて、恥ずかしながら今回執筆? させていただいた「五十鈴高校の探偵たち(仮)」ですが恐らくジャンルは『ショート探偵もの』になると思います。

まあ、探偵ものを名乗るのはおこがましいでしょうが、そこは何卒、新参者ですから。

 

気づかれたなら嬉しいんですが、実は、五人の探偵たちの得意技といううか人より優れた能力分かりましたか? 実は(二回目)、「五感」を当てはめていたのです!。

乾君は嗅覚、羽沙こと未々は聴覚、高女こと愛は視覚、世美先輩は触覚、そして今回そのことに一切触れられなかった汐先輩は味覚という設定だったのです。


まあ、とにもかくにも。読んでいただかたら光栄に思います。

後半失速したならごめんなさい。

では、また会う機会があれば・・・。


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