表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ホラー

再会~探し求めるその想いは恋にも似て~

 あなたに会いたい。

 会って、渡したい物があるの。


 初めて会ったあの日から、あなたのことが忘れられない。

 あなたはもう、わたしのことなんか覚えていないかもしれないけれど……。


 あれから十五年も経ったのね。

 わたしはきっと、あの時のあなたの年齢を追い越してしまったわ。

 煙草も吸える歳になったんだよ。


 ねえ、どこにいるの?

 探しても探しても見つからない。

 もう会えないのかしら?

 どうしても届けたいものがあるのに……。


 今日も人ごみの中、あなたを探す。

 予感がするの。

 今日こそあなたに会えるって……。


 ほら、いたわ。

 たくさんの人の中、あなただけが特別に見える。

 でも、ここではまだ会えない。

 もっと人の少ない所でないと。


 やっと二人っきりになれたわね。

 あなたは不思議そうにわたしを見つめる。

 わたしが誰だか分からないのね。

 でも、わたしは忘れないわ。

 両親を殺した憎い(あなた)の顔を。


 あの日、あなたが落としていったライター。

 それで、わたしはあなたに火をつける。

 そんな顔しないで。

 せっかく忘れ物を届けてあげたんだから。


 あなたの体から火をとり、煙草を吸う。

 今日の一本はどうしてこんなに美味しいのかしら?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ