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《ようこそ、サンタマリアの空へ》
《このゲームでは以下のことをご了承の上、プレイをお願いいたします》
仮想空間で女性とも男性とも取れない声を聞きながら、特記事項を読んでいくあなた。
・機上死は戦死となり、このプレイへの復帰ができないこと。
・アバターは限りなく現実世界に近くなること。
・人格に問題があると判断された場合は強制的な排除がありえること。
・何らかの恐怖症を患ったと場合、すみやかにゲーム会社へと通知すること。etc……
《よろしければ、そのまま前の扉をお開け下さい。不服な場合はログアウトをお願いします》
もちろん、否もあるわけもない。リアルを追及し、空を飛べるというVRMMO史上最も美しいと評価されている世界を逃す手はない。
《御入隊おめでとうございます。これからあなたと共に歩むナビゲーターをお選びください》
そうアナウンスがあると、何百種類はくだらない、ナビゲートキャラが表示される。基本的にデフォルメされている。ソート機能も充実しており、自分のナビゲーターを選ぶことができた。
《ナビゲーターはチュートリアル完了まで飛行の補助を行います。また、チュートリアル後はあなたのよき副官として活躍してくれるでしょう。あなたの活躍に応じ、ナビゲーターもまた経験を積んでいきます》
デフォルメされたナビゲーターが自分の隣に現れる。これがゲームのメニュー代わりになる、という説明も追加された。
《なお、ナビゲーターをないがしろにした場合は人格に問題があると判断される場合がありますのでご注意ください》
これが俗にいう『セーフティー』か。リアルに近いだけあってプレイヤー同士のもめ事を極力少なくするための機構の一つだ。良心のとしての自分、という言い方もできなくはないな、と感じる。
《続きまして航空機の配布を行います。二つの機種からお選びください。質問がある場合はナビゲーターにお尋ねください》
二種類の機体――視線を向けると「閃電」「秋蓮」と表示が出た――が目の前に鎮座している。
早速、ナビゲーターにどういう機体なのかと質問をすると、閃電が加速、最高速度が優秀、秋蓮は機動性能、安定度、武装選択度が優秀とのこと。一撃離脱型か、臨機応変型か、という違いと考えたらいいのかもしれない。
なお、戦功が貯まるとカスタム機能が解放されるので素体と考えてもいい、と教えてくれた。
《戦功とはこのゲームでの貨幣と思い下さい》
律儀にあの声が補足してくる。そう言えばこのゲームは初回のみ課金で後は課金しないゲームだった。
《戦功はゲームでの活躍度に応じて配布されます》
追加説明が来た。ありがたいことだ。
《機体選択が終わりましたら、所属地域を選択ください》
所属地域は東西南北と表示があるだけで、ナビゲーターに質問したところ、多数の国家が集合しており、最初はその地域で活動していくことになるだけのこと。フリーで転戦するのにもまずは訓練生としてどこかの国に所属するということで、大まかな特色の解説を受けた。
《これで初期設定は終了です、武運長久を》
地域を選ぶと、そこで初期設定が終了である旨がアナウンスされ、仮想空間はどこかの部屋の一室へと変わっていった。