初詣
気軽に投稿しました。
誤字脱字があったらすいません。
賑やかなクリスマスも終わり、新年を壮大な太陽が照らしていた。
そしてその日は参拝客で更に賑わい、幸せ絶頂のカップルからそのカップルたちを羨んで何か呟いている、ひどく縁起の悪い顔をしたキモオタたちまで、たくさんの人々が右往左往していた。
そこにひときわ目立つカップルがいた。
男は至って普通だ。強いて言うなら特徴がないのが特徴なのだろうか。
しかし、女の子の方は10人いたら9人が二度魅するのではないかと思われる程、可愛かった。そう、可愛かった。きっと一人はホモに違いない、近所の佐藤君だろう。
神様もこの女の子の願いだけはほかのすべての願いを犠牲にしてでも叶えるに違いない、そう思った。
「寒いねー、俺初詣なんて去年行ったきりだもんな、一年ぶりだわ」
「・・・大抵の人はそうだと思うけど」
「あ、ほら俺たちの番だよ!」
そんな会話が聞こえてくる。
そこで私は目を、いや、耳を疑った。男が鳴らした鐘(正確には鳴っていなかったのだが)がなっていなかったのだ。見事に空振りだった。
私を含め、近くで見ていた人達は皆クスクスと笑っていた。
女の子は顔を赤らめ、かなり恥ずかしがっているようで私は抱きつきたい衝動に駆られたが、如何せん人前だったのでやめておいた。
「ねぇ、なんてお願いしたの?」
女の子がそう聞くと男は
「言わないよ、ほらよく言うだろ?願い事を口にしていけないって。だから言わない」
何カッコつけてんだ死ね!・・・心から思った。
「えー、いいじゃん教えてよ」
「わかったよ、えっとな、お前の味噌汁の味が濃くなりますようにってw」
「ひどーい、もう最テー」女の子はジト目を向けていた。
そのままこちらに向きますように・・・心の底から念じた
参拝が終わってそのカップルは旅行の話をしていた。
「ねぇ、どこに行きたい?私は優くんと一緒に行けるならどこでもいいよ?あ、でも遠い所はいやかも」
最近のスマホは便利なもので録音とか録音とかできてしまう。名前を変える決心をするのは一瞬だった。
もう欲しいものは何もない。
「俺も遠い所は嫌だなー、そうだ!台所はどう?お前久しく行ってないでしょ、結構新鮮に感じるんじゃない?それにかなり近いしさ!どう?」
「だ・・台所?・・・さっきから酷いんだけど」
女の子は呆気にとられていた。
きっと目の前に雷が落ちたらこうゆう顔になるだろうかと考えていた。
それにしてもなんの茶番だこれは。それともただ単に男はアホなのだろうか。どうしても話してみたくなったので、アンケートに答えて貰うという呈で話しかけてみた。
「あのー、すいません。今少し時間よろしいでしょうか?素敵なカップル限定のアンケートをとっているのですが。」
「どうしよっか//」「ま、まぁ、いんじゃね//」
フッハッハ、ちょろいちょろい。
「ありがとうございます、早速ですがこの男のどこが好きになったのでしょうか?」
「あー、それはですね、カッコよくて包容力があって頭が良くて真面目でいつだって隣人を愛しているところです。」
やっぱりと言うべきか、薄々気づいてはいたがこの女の子も大概おかしかった。なぜかバカバカしくなってきたのでこれ以上聞いても仕方がないと思い私は神社をあとにした。
「名前変えに行くか・・・」
そんな私をあざ笑うかのように頭上にはコンドルが旋回していた。
不快に思った方、すいませんでした。暖かく見守ってくれれば幸いです