ナイフと復讐のゲシュタルト
始めまして。寺川 亮哉と言います。いつもはアメブロでライトノベルを書いているのですが、此方では小説っぽい物を書ければいいなと思っています!よろしくお願いします!
【伊藤】
俺が復讐という言葉に手を染めた原因は、同じ殺し屋『佐藤』と出会ったあの日だった。今までに二十八人という命を容赦無く奪ったこの愛用のナイフを見つめて過去の光景を脳裏で再生させる。
俺は『斉藤』という女の殺害依頼を受け取った。その女が「家まで帰る時は路地裏を利用する」という都合の良い事が分かり、俺は路地裏の冷えたコンクリートの壁に背を預けて、ナイフを握り締めながらその時を待っていた。
「不憫だよなぁーホントに拙い人生だったなー」
殺し屋に殺されて終わるなんて。そう口元から溢し、思わず嘲笑した。そしてハイヒールが地面を蹴る足音が壁に跳ね返り、路地裏に響いた。
波紋が広がる様に響く足音は、徐々に俺の方へ強弱が増して行く。「そろそろかな?」と囁く様な声で呟き、壁から背を離してナイフを頭よりも上の位に上げて、その女の前に立ち塞がった。そして躊躇無く――刃は女の額を削りながら、皮膚を「ぷちぷち」と切り裂いて露となった肉すらも亀裂を入れる。筈だった。
ナイフを振り下ろそうとした瞬間、足音では無くその何十倍とある轟音。その轟音は路地裏内に轟き渡り、俺の鼓膜を襲う。
耳鳴りが響いて両手で耳を押さえる。気付けば俺が殺害する筈だった女は自分自身が出血させた血の湖に浸かって、身を任せていた。
耳鳴りが帰って行くのを待ち、向こう側に目玉を向ける。上手く漆黒の影に身を包み、顔は窺えなかったが男という事は確認出来た。
男のシルエットは拳銃を肩から担いでいた鞄に入れ、俺の存在に気付かないらしく軽率にその身を深い闇に消えて行った。
「なんだ・・・あの野朗ッ!」
負けず嫌いの俺は味わった事のない白色不透明な感情に沈んで行った。人を殺した時の達成感では無く、俺を舐めていた奴に力の差を見せ付けて高揚している時とは違う。
これが“悔しさ”なんだな、と呟き左手の拳に力を込める。
辛うじて生み出た結論は『復讐』だった。あの男を殺す。殺す。殺す。ころす。コロス。何度も唱え続けた。
そして、翌々考えたらこの女を殺したのは同じ業界の『佐藤』という人物だった。拳銃の引き金を躊躇も無く引き、命を奪えるあの手際良さから殺し屋だという事が分かった。
そして影から覗ける影の輪郭は痩せ型で窺える髪は肩まであると察した。確かとは言えないが、『佐藤』と決め付けた。
ナイフをズボンの外ポケットに詰め込み、髪を掻き毟りながらマンションの部屋を出た。
今回は人物紹介見たいなやつです。三人の登場人物がいますが、その中の『伊藤』という殺し屋です。コイツはナイフを振り回し、命を奪うという人物です!次回は妻を殺された復讐殺し屋『斉藤』です!
というわけで、このサイトでは初作品となりました。一作目からこんなふざけたのでいいのだろうかと思います。
このHNは「小説の編集者になりたい!大人になったら二人で天下取ろう!」と言っている相棒(友達)の名前と一文字ずつ取ってこうなりました。あんな文章で成長も期待出来ないですが、これからも読んでくれれば嬉しいです。




