ターレ街
「おはようございます。そろそろ出発の時間になります」
アビの声で目が覚めた。
そういえば今はゲームの世界にいるんだった。
いつもは目覚まし時計で起きているがこの世界に時計は無い。
もしかしたら待たせていたのかもしれないな。
「おはよう。朝ご飯は今作るから待ってろ」
「朝にもご飯を食べるんですか?」
アビが驚いた顔で見ている。
どうやらここでは朝、ご飯を食べる習慣は無いらしい。
「夜だけしか食べないのか?」
「いいえ、私たちは昼、夜の2回です」
「そうか。なら別に朝食はいらないな。じゃあ出発するか」
昨日一杯食べたので別にお腹はすいていない。
「はい。これ、ありがとうございます」
アビに昨日貸した「Island war」を渡された
「もう覚えたのか?」
「いいえ、全部とは行きませんでした」
俺も今度おぼえよう。
準備も終えて家を出た。
家を出るとリリが魔法を解き、家が無くなった。
すっかりリリの魔法で出来ていることを忘れていた。
良い家だった。
アビは犬の姿になり、出発した。
4時間くらい途中に休憩をはさみながら歩くと大きな街が見えてきた。
「あれがターレ街です」
リリが教えてくれた。
ここまでの道中ではモンスターに会わず何事もなく着いた。
街の中に入り、ギルドを探す。
奥の方へ行くと、大きな建物があった。
「あそこだとおもいます」
行ってみると確かに「ターレギルド」とあった。
「これを売りたいのだが」
ギルドの中に入ってまずモンスターカードを売る。
「はい、合計で50000ナールです」
ナールというのはここの通貨なのだろう。
50000ナールが高いのかどうかはまったくわからない。
「あとこのギルドに加入したい」
「わかりました。この紙に必要事項をお書きください。ギルドのかけもちは出来ないのでご注意ください」
「わかった」
渡された紙には住所を書く欄があった。
この国にも住所の概念は存在するらしい。
それより今は家が無い。
「すまん。家はこれから探そうと考えているのだが」
「家でしたらギルドに加入された後であればギルドから購入することが出来ます」
「では家の購入も頼む。あとこれ」
渡された紙に必要事項を書き終えて渡す。
「はい、承りました。依頼はあちらの掲示板があります。難易度は順にE,D,C,B,A,S,SS,SSSとなります。
ランクが高いほど難しくなりますがその分達成料金は高くなります。掲示板にある紙を取ってこちらに持ってきていただければ受注完了です。ギルドの説明は以上になります」
「わかった」
初めはC、Bランクで試してみよう。
「続いて家の購入ですが、2DKから7LDKまでありますが」
そんなこと言われてもよくわからない
「じゃあ3LDKくらいで頼む」
適当に言う。
「わかりました。3LDKですと1つしかありませんね、10万ナールになります。よろしいですか」
今、そんな金は無い。
「後払いは出来るか?」
「依頼達成料から20%づつ引かせてもらう形ならできます。どうされますか」
今そんな金は無い。
「それで頼む」
「わかりました。。その場合1ヶ月1度は依頼を受注してもらう必要がありますが、よろしいですか」
「大丈夫だ」
むしろ毎日受けるつもりだ。
「では承りました。ただいま、ご自宅へ案内します」
家は見なかったが3人が住めないということはないだろう。
Lがつくくらいだ。
Lの意味もわからんが。
「ここです」
案内してもらった先は街の中心で受付の人が指差した先にはまあまあ大きい家があった。
3人にしては大きすぎる気もする。
「今から、ここは使っていただいてかまいません。中には何もありませんので家具はあちらの家具屋でお買い求めください」
「わかった。ありがとう」
「では」
ギルドに帰って行った。
家に入り荷物を置く。
さっき教えてもらった家具やに行き必要最低限のものを買った。それでも4000ナール使った。
そしてギルドの掲示板を見に行った。
さっきはCかBランクを受注しようと思っていたがある依頼が目に入った。