始まりは突然に6
「はぁ…」
さて、所変わって今は午後の授業中、しかし俺は授業が全く耳に入らない…
それもそうだ…まさか…一番楽しい昼の時間が地獄と化してしまうなんて…
「じゃあここ、前崎さんわかる?」
「えーっと…ごめんなさいわかんないです。」
「じゃあ、皆これテスト出すからね!」
「「ええー!!」」
ふん、なにが「ええー!!」だよ…絶望してんのは俺の方だよ、畜生…
「はぁ…」
俺はさっきからため息しか出ない…
どうやらさっきの話を少し整理すると、実は姫咲さんと俺は一応許嫁だったらしい、家系がどうだとか、初耳だよ…
そして俺は覚えてないがまさかのプロポーズ…
さらに家に転がり込んでくる…
入れないのも考えたが主導権は向こう…つまりそういう事だ…
キーンコーンカーンコーン
「じゃあHR終わりな、皆気をつけろよー。」
気づいたら如月先生が教室に居てHRが終わってしまってた。
「霧谷ー、渡すもんあるから職員室付いてこーい。」
如月先生が先に教室を出て行った。
「はい、今行きます…」
とりあえず返事をし、荷物を纏める。
「麗ー!また後でねー!」
姫咲さんは満面の笑みで帰ってった、おそらく身支度をしに…はぁ…
「なぁ麗…まぁ…俺からは何も言えないが…頑張れ!」
荒ちゃんを初めて頼りないと思った。
「いや…気にすんなって…じゃあな。」
ガラガラ
俺はそう言って教室を後にする。