始まりは突然に4
「はい、ココテスト出るよー。」
「はぁ…」
先生の授業も耳に入らないまま、俺は疲れきっていた。
隣にいる奴に目を向けてみれば、なぜか満面の笑み…ハハハ…
いや実に笑えなかった。
「はい、じゃあ授業終わりネ。」
数学の先生があっさりと告げ、一限目が終わる。
この後の授業もこんな感じで、授業の終わりにはなるべく話さないようにトイレに行ったり、適当に時間を潰したりしていた。
キーンコーンカーンコーン
「やっと4時間目終わりだな、じゃあ麗と姫咲さん、メシ食いに行こうか。」
昼休み前の授業が終わると、荒ちゃんが俺たちに話しかけてきた。
「あーお腹すいた!」
「…」
この状況でよく腹減ったとか言えるな…
ともかく俺たちは食堂へと向かう。
ちなみにここの学校には食堂があり、生徒たちは値段が安いこともありここで食べることが多い。
「とりあえず何食う?」
荒ちゃんが注文を取ってきてくれるらしい、俺は生憎食欲がないためパス
「私はパスタ!!」
さいですか…
「じゃあ注文してくる。」
荒ちゃんがいない間、しばしの沈黙はあったが今朝…面倒だから「Kさん」にしよう。
Kさんはそれでもずっと俺の顔を見ていた気がする。
「お待たせー。」
荒ちゃんが料理を運んで帰ってきた。
「じゃあ二人とも、始めようか。」
「ああ…」
「ええ!」
意気込みこそ違うものの、シンクロしてしまった。
とりあえず、聞いてやる!
「まず俺はアンタとどこで会った?それとその気にさせたってなんだ?」
すると突然Kさんは強張った表情になり、怒り出した。
「あのさ!さっきから「アンタ」ってのやめてよ!私には姫咲 華恋っていう名前があるんだけど!」
「えっ、ああ…すみません…」
うわこえー。
「まあまあ、姫咲さん落ち着いて。」
荒ちゃんが仕切りなおし、話し合い続行。
「じゃあまずお互いの自己紹介!は済んでるからー、とりあえず姫咲さんがさっきの質問に答えて。」
荒ちゃんが進行してくれたおかげで何とかなりそうだ、しかし俺の質問の答えがとんでもないものだった。
「いいわよ!まず出会ったのは公園で、その気にさせたってのは将来結婚してくれるってこと!」
「「はぁああああああ!?」」
俺と荒ちゃんはKさんの爆弾発言に驚きを隠せなかった。
今日この日、俺は女嫌いにもかかわらず友達を通りこして婚約者が出来てしまった…実に…死にたい(切実)