開演ノ五 宝石商、ジルコット・エンプティ
前回のあらすじ…
ついにセブン・アンタゴニアスもtop3を残すこととなり3→2→1の順で倒すことになった。3のエレミ・バイトの戦術にハマり一時は苦境に立たされる。そこでエレミを説得しようとするが禁忌に踏み込んでしまう…あわやというところで大妖怪の力を使った鬼火垣によってなんとか勝利を収める。しかし暴走する力によってエレミが燃やされようとするが、室伏が2人の正気を取り戻す。そしてエレミは再会を約束しておつとめへと向かうのだった…
室伏「残すとこあと2人!なのじゃ!」
鬼火垣「残っている2人の中で何か知ってることはありませんか?」
ラテルーン「top1の人はそもそも慎重すぎて会ったこともないですね…話せることすらない状態で。top2の方も知っていることは名前がジルコット・エンプティという女性の方であることと宝石商を営んでいることぐらいでしょうか…あと後ろ暗い噂があると聞いたことがあるのでより一層気をつけた方がいいでしょう」
室伏「気をつけて行こうかの…」
引岸「それで誰が行きましょうかね?」
そう言った最中空茨里がめちゃくちゃ挙手している
鬼火垣「私はまだちょっと体が痛いから休もうとは思ってるけど何か行きたい理由でもあるの?」
空茨里は目を輝かせているだけだった
鬼火垣「あ、これ宝石見に行きたいだけですね」
ラテルーン「ほんとに欲望には忠実ですね…」
〜そして2人はジルコットのいる街へ〜
室伏「ここがその女性がいるところ…噂に違わぬ場所じゃ」
空茨里はすっかり観光気分だ
部下A「室伏様とお連れ様でございましょうか?」
室伏「そうじゃが…お主は?」
部下A「私ジルコット様の所で秘書をやらせていただいております。ジルコット様がお二方に話があるとのことでお連れするように仰せつかっております。」
空茨里はせっかく観光気分になっていた所なので残念そうな出立ちになっていた。
部下A「あ、後から観光をしていただいてもよろしいですから…それに別にジルコット様は何も闘いによる解決をしたいわけではなさそうですし…」
室伏「うーん…まあ無理にどうこうというわけではないなら話ぐらいは聞いても良さそうか?」
空茨里はさっきよりは残念さが減ったので大人しくついてくる
〜そうして部下に連れられジルコットの応接室に招かれる〜
ジルコット「いらっしゃい、私は宝石商のジルコット・エンプティといいます。早速本題に入ってもよろしいでしょうか、室伏様に空茨里様」
室伏「ウチは構わんぞ」
空茨里はうんうんと頷いている
ジルコット「ありがとうございます。それでどういうことかというと、私正直ギャング辞めたいと思っております。しかしこの力はtop1のお方から授かったもの…つまり私たちはtop1の方には逆らいにくいのです」
室伏「難儀じゃな…」
ジルコット「なのでtop1さえ倒してくれれば私どもは司法取引をして普通に宝石業を営みたいと思っています。」
空茨里は大変だねの顔をしている
室伏「今のが頼みか?別に言われずともギャングは全て倒すつもりだったが」
ジルコット「それで本題の頼みというのが、貴方達のところに居候しているラト・ラテルーン様のお力を借りたいということです。」
空茨里は少し目を見開いた
室伏「彼女を?」
ジルコット「えぇ、彼女の似力を借りたいと言った方がいいでしょうか。不変しない未来というのは宝石に価値をつけるにはもってこいだと思っているのです。当然従業員として雇い入れするのでご安心してください」
室伏「うーん、別に悪い話ではないと思うし本人さえ良ければ別にウチとしては断る理由もない…が」
ジルコット「ありがとうございます。」
室伏「ウチはいいんじゃが一応こっちに引き寄せたのは空茨里殿じゃからな…どうじゃ?」
空茨里は耳打ちする
室伏「そ、そうなのか…すまないが空茨里殿がいたく気にいるので申し訳ないがこの話は無かったことにしてほしいのじゃ。ちゃんとtop1は倒してくるのじゃ…」
ジルコット「そうですか…残念です。」
でも私、欲しいものは必ず手に入れるって決めてるんです
そう言った次の瞬間室伏達の座っていたソファーの床が抜ける
室伏「なっ!?何を!?」
ジルコット「残念ながら交渉不成立ですね、こうなったら貴方達を痛めつけてあの娘からこっちに来てもらうように仕向けるとしましょうか」
空茨里が蔓を伸ばすが落ちて行くスピードには届かない…
室伏「ウチは大丈夫じゃ!空茨里殿はジルコット殿を!」
空茨里は頷き、敵となった相手に向き直る
ジルコット「お前達はあの小娘を追いなさい、私はこの植物姫を折檻してさしあげますわ」
空茨里がキッと睨みつける
ジルコット「あら…もしかして私があの子に執着してる本当の理由がわかるのかしら」
空茨里が目を伏せる
ジルコット「そうよ、本当はあの子のこと壊したいの。あれは子供の時だった、私を守るために父母も従者のみんなも壊れながら私のこと守ってくれた。その時に気づいたの、人は何かを成して壊れる時が一番美しいって。だから私は幸薄そうな人に手を差し伸べて満足した瞬間に自らの手で壊しているの、きっとあの娘もそれはそれは凄い輝きになる」
空茨里が植物で拘束を行ったが、すぐに引きちぎられる!
ジルコット「おや?驚いたご様子ですね。これが私の超常似力宝装千輝です。私が身につける宝石の種類が増えれば増えるほど私の基礎的な能力が上がります、貴方ほどの力では傷をつけることもできませんよ。」
空茨里が蔓の鞭を仕掛けるが言葉通り弾かれてダメージが入らない
ジルコット「人の話は聞いていた方がよいです……よっ!」
ジルコットが放つ拳は空茨里の植物の守りをいとも簡単に突破し深い一撃を与える。それによって空茨里は壁まで吹っ飛ばされ床に倒れ伏す
ジルコット「あら?1発目からドギツイのが入りましたわね、もう少し楽しめると思いましたが…まあいいでしょう。あの子は私が責任持って可愛がってあげますし…あの室伏さんも素質がありそうなので痛めつけて手元に置いておきましょうか…加算龍なる似力は宝石にはもってこいですしね…とりあえず泥棒猫はここで消えてください」
そうして後頭部目がけたパンチが振り下ろされる…
はずだった
ジルコット「あら?また性懲りもなく拘束ですか…こんな…も…の?」
空茨里「駄目じゃない?ご主人様の名前を出すなんて…思わず本気になっちゃったわ。」
ジルコット「貴方…喋れるんじゃないですか」
空茨里「まあいつもは消費が激しいから省エネモードでやってるんだけどね…貴方が悪いのよ?私のお気に入りに手を出そうとするんだから」
ジルコット「そうですか…しかしやることが変わっていませんね、こんな拘束時間をかけれ…ば?」
しかしジルコットは自分の握力が急激に落ちていることに気がつく
空茨里「あら?拘束が、なんだって?」
ジルコット「クソォォォ!こんな、こんなぁ!植物なんて燃やしてしまえば!」
ジルコットはポケットにしまっていたライターに火をつけ植物の茎に落とすが火がつかない
ジルコット「!?なんで…?」
空茨里「あらぁ…残念、私はアルラウネの大妖怪よ?火なんてつかないし人間ごときの似力でなんとかなると思ってたの?」
その時ジルコットは自分が獲物を捉えた時の目で見られていることに気づく
ジルコット「離せ!離せよぉ!私はまだ…」
空茨里「優位に立っていたい、でしょ?」
ジルコット「!?」
空茨里「わかるわぁ、私は大妖怪だもの。他のアルラウネの上に立つのは快感よ、あの羨望の眼差しを向けられた時の感情といったら…」
ジルコット「一緒にするな変態!私は…」
空茨里「でもわざわざ自分の手で破滅に突き落とすってことはそういうことなんでしょ?」
ジルコット「私は…」
空茨里「私にもあるのよ、気に入った人や物にやることが。それはね」
タ ベ ル コ ト
ジルコット「……ヒッ」
ジルコットは初めて恐怖した、目の前にいる得体の知れないバケモノの話すことに
空茨里「パンパカパーン!貴方は選ばれました、私のお気に入りの人間にたった今!その異常なまでの加虐性とその芯の強さ!きっとおいしいんだろうな〜」
ジルコット「…………」
空茨里「あら?気絶しちゃった、困りましたね…さっきみたいに暴れられた方が活き餌みたいでもうちょっとおいしそうだったのに…まあいいですか、それじゃ」
イ タ ダ キ マ ス
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
室伏「大丈夫か!?」
部下達を退け部屋に戻ってきた室伏が見たのは姿が変化した空茨里だった
空茨里「あら?ご無事でしたかご主人様」
室伏「おおぅ…?いつの間に喋れるようになったんじゃ?」
空茨里「思ったよりあの方が強くてつい大妖怪の力を使ってしまいましたわ」
室伏「ジルコット殿は?」
空茨里「追い詰めた時に一瞬の隙に目に光を当てられその隙に逃げられてしまいました…」
室伏「うむぅ…本当にギャングを辞めたいのであれば手助けしておきたかったが、とりあえずtop1を倒してからもう一度掛け合ってみるとするか…とりあえず今日はもう帰ろうかの、階段の登りすぎで足が痛いのじゃ」
空茨里「せっかく本気出したので帰りは蔦のロープウェイで帰りませんか?」
室伏「いいのか!?楽しみなのじゃ」
空茨里「(あぁ…ご主人様、無邪気で愛らしくて…でも人助けができる勇気と何者にも怯まない頑強さ…やっぱり)」
オ イ シ ソ ウ
ネェ…ソコデミテルアナタ
ア ナ タ モ オ イ シ ソ ウ ネ ?




