開演ノ二 星占術師、ラト・ラテルーン
前回のあらすじ
残る6人のセブン・アンタゴニアスのうち、ある村人の妻を逃すためにカロン・オーデハイムというギャングの元に向かい戦闘になる。カロンの蜘蛛の領域により苦戦を強いられるも、帰ってきた引岸によりノックアウトされ無事に逮捕することができ、村人の妻も救出することができた…
室伏「これで後5人じゃな!次はどうしようかの…」
鬼火垣「さっきまた話を聞きに行きましたが今は特に優先して欲しい事柄はありませんでしたね」
引岸「単純な考えかもしれませんが、ここから一番近いところに行くというのでもいいのかもしれませんね」
室伏「ここから一番近いギャングがいる街といえば…ここか」
鬼火垣「ここは…確か星占術師を使うと言われているラト・ラテルーンというお方がいると村人から聞きましたね」
室伏「そうじゃな…特に決まったことがないし先手を打つという意味合いでもここに行ってみるか!」
引岸「それで今回はどなたと行くおつもりで?」
そう言った最中空茨里がめちゃくちゃみんなに見える位置で手を挙げていた
鬼火垣「えっ、空茨里ちゃんが珍しくやる気ですね…何々?貴方は先の戦いで怪我してるんだからもうしばらく安静に?」
引岸「何々?引岸さんは長旅で疲れてるだろうからもう少し腰を据えて待っててくれ?」
この思いやりを聞いた2人は
鬼火垣「そこまでいうのなら…今回は任せましょうか…」
引岸「そうですね…私も色々と雁斎様と話すことがありますし…」
室伏「決まったのじゃ!よろしく頼むぞ空茨里殿!」
空茨里は任せんしゃい!と言わんばかりの立ち方をしている
鬼火垣「……やっぱり少し心配……」
〜そうしてラト・ラテルーンのいる街へ〜
ラテルーン「来ましたね…異国の訪問者が」
室伏「こら〜!ギャングなんぞやめて大人しく逮捕されるのじゃ〜」
ラテルーン「ギャングをやめるつもりもありませんし、捕まるなんてもってのほかですよ…」
その言葉を聞いた室伏は戦闘態勢に入ろうとしたがラテルーン達のギャングは何故か戦闘態勢を取ろうとしない
室伏「???どういうことなんじゃ???」
その時ラト・ラテルーンは何かを見たかのような反応をしてすぐに声をかける
ラテルーン「はやく!こちらの小屋に」
そうして室伏と空茨里はそこに隠れていると、他のギャングの軍団がこの街に現れた
別ギャングA「おぉ…どうだぁ、首尾の方は」
ラテルーン「問題ありません、ここはまだ攻め込まれていませんし…仮に攻め込まれようともその前に未来を見て対処していきますよ」
別ギャングA「へへっw末恐ろしいねぇ未来が見えるっていうのは、まあでもあのお方には逆らわなかったなぁ?やっぱり未来を見たところで敵わないのがわかったのか」
ラテルーン「………まあ、そういうことです」
またラテルーンが未来を見るが少し苦い顔をする
別ギャングA「そういやこっちで使う資材を少し貰っていくぜ、いいよな?」
ラテルーン「………かまいません」
そうして資材小屋に向かったギャングは室伏達と鉢合わせる
別ギャングA「テメェら!?もしかしてこの前カロンさんを警察に突き出した異国の奴らかぁ!?」
室伏「見つかってしまったのじゃ」
空茨里が蔓を使い即座に距離を取らせる
別ギャングA「おいおいおい、どういうことだぁ?ここに敵がいるじゃねえか」
ラテルーン「すみません…どうやら外出中の隙をつかれてしまったようです…」
別ギャングA「へぇ〜まあどっちにせよこいつらを叩きのめさねえといけねえな!」
そうして別のギャングとの戦いが始まってしまう…
室伏「今回は杖と安全靴に加算龍でそれぞれ耐久力を上げたぞ!蹴りでお主らをノックアウトじゃ!」
空茨里は植物を操り複数のギャングを地に叩きつける
別ギャングA「クソッ!やはりセブン・アンタゴニアスのカロンさんを倒せるだけの実力はある…早くエラン・テルーガ様のとこに戻らねえとな!」
そうして別のギャングは逃げて行った
〜そうして戦いが終わった後〜
ラテルーン「すみません、結局見つかってしまいましたね」
室伏「今更なんじゃが…全て話してもらうぞ」
ラテルーン「はい、大まかにはこういうことなんです…」
ラテルーンは昔から未来が見える似力があったが、その未来は絶対に覆せないという縛りがあった。
そして父親と母親が事故死する未来を見ても、自分の故郷が滅ぼされる未来を見ても、村を皆が移り住んだ先でギャングにいいように扱われる未来を見ても…
ラテルーン「そうして結果的にギャングにいいように使われるギャングに流れ着いただけですよ…」
室伏「なるほど…それは辛かっただろうな」
ラテルーン「私は少しあなたが羨ましいです。それほど強い力を持ち、今も人のためにその力を使っている…私はそんなこと何もできなかった…」
そこで空茨里がラテルーンに寄り添う…
ラテルーン「え?今からでも遅くないって…でも、私はもう失うのが怖い…」
それでも空茨里はその背中を押そうとしている
ラテルーン「貴方にはわかるのでしょうか…目の前で何もできなかった後悔も…ただ流されるだけに生きる辛さも…」
それを聞いた空茨里はラテルーンに頭に特殊な蔦を当てる
ラテルーン「何を……!?ウッ、これは…」
室伏「何をしておるのじゃ!?」
数十秒後、息を少し切らしたラテルーンが空茨里の肩を掴む
ラテルーン「貴方!今までにこんな仕打ちを受けてきてそれでもまだ人間を信じてるの!?」
室伏「もしかして過去を見せているのか!?」
空茨里は微笑む
ラテルーン「こんな私でも今ちゃんとやれてるから貴方にもできるって?………ほんと無責任といえば無責任だけど…貴方の過去を信じてやってみようかな…」
室伏「ということは?」
ラテルーン「えぇ…ギャングをやめて貴方達の軍門に降るわ、これからよろしくね」
室伏「わかったのじゃ!これからよろしくな!」
空茨里がサボテン柄のマラカスを両手に持って勢いよく振る!
ラテルーン「…二重の意味でほんとによかったのかしら……」
室伏の次のセブン・アンタゴニアスの討伐は一番近い位置にいた星占術師 ラト・ラテルーンだった。しかし街に入ると普通のギャングとは思えない感じになり逆にこっちに来た別のギャング達との戦闘になってしまう。ラト・ラテルーンは未来を見ることができるが、その未来を変えることができずに流されてギャングをするしかなかったのだ。しかし空茨里の身を挺した説得もありラト・ラテルーンは未来を変えてみるために室伏達の軍門に降るのだった…
残るセブン・アンタゴニアスは後4人!
開演ノ三に続く…
???「ふーん、やっぱり裏切ったか。まあいいよ、元より大して使えないやつだったしね」




