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第弐拾玖話 しょっぱくない

お久しぶりです。更新頻度遅くてすみません。プロットはあるのですけれども、なかなか文章にするのが難しくて。

第弐拾玖話 しょっぱくない


俺は、ゼノンとアイオンから貰った体液で塩水を作る実験を行っていた。ご飯を食べる時に薄味なのはやはり問題であると俺は考える。塩酸と水酸化ナトリウムの中和による塩水の合成だが、これが思った以上にうまくいかなかった。ゼノンと、アイオンの作る体液の濃度が異なるため、何回も試行錯誤し、ちょうど両方の溶液がなくなる量を探すのが本当に大変だった。


さらに、少しねばねばするため、粘り気を取るのにも工夫が必要だった。といっても火で加熱をしたらすぐに上澄みに不純物がたまってきたのでこっちの方は楽に解決することができた。


というわけで、これでできた塩の再結晶と再びきれいな水に溶かしきれいにするという作業を何回か行い遂に俺は塩を大量生産することに成功した。


(できた!アウナに渡しに行かなければ!)

カルメラは塩ができたので、アウナの料理に使ってもらうためにアウナの部屋へと、移動するのであった。



(アウナ~!部屋にいる~!?塩作れたよ。何か料理してくれない?)

アウナの部屋の前へ着いたカルメラは、確認もせずに部屋へと入っていった。


『いるよ~!私がいなかったらどうしたんだい?私がいないかったら、君は一人で喋っている変な奴になってしまうよ?』

部屋に居るか居ないのかを聞いたのにもかかわらず勝手に入ってきたカルメラへ突っ込む。


(安心して。俺はもうすでに変な奴だからサ!)

『そんなに、自分を卑下するのはやめたまえよ。明るく過ごしていこうよ。ところで、塩を作る実験をスライムたちとしていたけど、やっとできたみたいだね!ちょっと見せてみてよ。』


そういって紙に包んだ塩を採りだした。トイレットペーパーを作るときにできた副産物で繊維を粗くすることで、少し強い紙を作ることに成功していた。塩をその紙で包んでアウナの部屋に持ってきたのだ。ただし、紙を一回折ってしまうと劣化が早まってしまうので、使い捨てになってしまうが。


『お、面白いものに包んできたんだね!これはといれっとぺぇぱぁの材質と似ているね!一つのことを解決しようとしてたくさんのモノに応用させることのできるカルメラはすごいね!本命は塩だったね。少し舐めてみてもよいかい?』

初めて見るものに興味津々のアウナである。アウナレベルにもなると料理以外のことはすべて魔法に頼っているので、こういうものを試行錯誤しながら作ることができるカルメラは正直すごいと思っていた。


(全部上げるから、アウナが好きなようにしてよいよ。)


紙の中から塩を少しつまみ、ペロッと舐めた。

『おぉ、ちゃんと塩の味するじゃないか!いいねこれ!1日にこれ何個分くらい作れそう?オエピィとかに頼めばもっと楽に生産できるかな?』


(ゼノンとアイオンには魔力沢山上げれば体液分けてくれるから、原材料は無限として、使える場所にもよるけど、オエピィの魔道具とかを使えれば、だいたいこれ10個分くらいかな?あとは加熱する用の鍋とかも増やさないといけないから準備とかは必要だけね。)


『なるほどね。じゃあ、オエピィに頼んでおくから、施設ができたら、これを7かでに35個分くらい作れるようにしてくれると嬉しいんだけど、どうかな?』


(うん、たぶんその位ならいけるよ。準備しておくね。)


『おっと、料理を作ってほしいという話だったのに、話がそれてしまったね。これを使って料理をすればよいんだね。ちょっと待っていてね。』



アウナが料理を作っている間、俺は弓の練習をしていた。移動するのが苦手なうえ、アウナから接近戦より遠距離戦のほうが適正が高いといわれたので弓を練習することになったのだ。といっても槍の練習もしているのだが。


的に向かって矢を放つ練習をして1時間くらい経ったところ、料理ができたと、アウナに呼ばれたので、弓を片付けてアウナの部屋へと戻るのであった。


部屋には肉の焼けた良い匂いが漂っていた。

(今日は何の肉を使っているの?)

『できたよ。今日はフォレストボアの肉を使ってみたよ。』


椅子に座ると、料理の横にあるフォークのようなものを手に取り、肉をほおばる。


(おいしいは、おいしいと思うけど、塩味やっぱり薄くない?本当に増やした?)


『おかしいな、確かに塩の量は増やしたんだけどな。うーんなんでだろう?そういえば君はできた塩を実際に味見したのかい?』


(ん、確かにしてないね。もしかして俺の味覚がおかしいのかな?)


『ほら塩ちょっと舐めてみてよ。』

少し渡されたので舐めてみる。


(ん?これ本当に塩?全くしょっぱくないんだけど。少しだけ味がするような気もするけど、、、)


「この量の塩の量は本来顔をしかめるレベルだよ?」

(え?マジで?なんで味しないんだろう?ネアなにかわかる?)


【わかるけど、教えてやらない。治ったら教えてあげる。塩味を感じる魔法でも作ればいいんじゃない?】

ネアはカルメラがストレスによる味覚障害だということを理解していたが、それを指摘してしまうと余計にカルメラがストレスをためてしまうかもしれないので、自分の心を鬼にして、言わないことにした。


(まあ、いいや。魔法作ればよいか。また、作れる魔法の場所取っちゃうけど、おいしいもの食べたいしね。)


『ま、まあ、塩味感じれないのは悲しい話だけど、私も協力するからさ気長にやっていこう!ん?ちょっと待ってアニが念話で何か言ってる。なになに?”私妊娠したから、精霊たちの訓練できなくなったわ。”だって。』



(に、妊娠!?誰との子?)


『ちょ、ちょっと待ってね。聞いてみる。”イムッチとの子供だよ”だって』


(『え、えぇ~!?!?!?!?!?』)


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