弐拾参話 『トイレットペーパー』を一刻も早く作らなければならない。
弐拾参話 『トイレットペーパー』を一刻も早く作らなければならない。ケツが斬れてしまう。
ウイモに服を作ってもらった後のことだった。久方ぶりの感覚だった。そうトイレに行きたくなったのだ。
俺の体は常に再生している、かつ食事もしないので排泄という行為をしていなかった。
しかし俺は成長のために食事を採った。つまりトイレに行きたくなるのは必然であった。よくあるラノベの物語の登場人物はトイレに行かずに何時間も戦っていたりするけどあれはどうなっているんだろうね?>
(ねえ、ちょっとトイレ行きたいんだけど、どこにあるかわかる?)
『ん、それならアウナの部屋の近くにあるよ。ボク達種族の中で一番食べるのはアウナだからね。一番排泄回数が多いからね。』
『イムッチじゃなくてボクが案内しよう。女性の排泄の音をイムッチに聞かせるわけにはいかないからね。』
◆
数年ぶりのトイレは大変だった。ケツがちぎれかけた。いや、もはや切り落とした。異世界にトイレットペーパーなんてものがあるはずもなく、ウイモに使えと言われたのは、壁にかかっている木べらだった。しかし、その木べらがとても扱いにくく、とてもふけるようなものではなかった。そこで俺は、時空魔法を用いて、ケツの表面についてるブツだけを採ろうとしたら、ケツごと裂いてしまって死ぬかと思った。死なないけど。
──トイレットペーパーを一刻も早く作らなければならない!ケツが斬れてしまう。俺の中での最優先事項となった。
木べらは何本も使わないといけないし、とてつもなく不便である。大便だけに。
閑話休題。アウナに相談してみよう。アウナも使用回数が多いらしいからきっと協力してくれるはずだ。
トイレから出て、アウナに相談してみた。
『そのといれっとぺえぱぁ、というものはそんなすごいのかい?』
(きっと世界が変わる。)
『メロがそこまで言うなら協力しようじゃないか。それを作るのに必要な材料はなにがあるんだい?』
(柔らかめの木とかを細かく砕いていろいろするとできるらしいんだけど、詳しいことを覚えてなくて。)
『ふむ。とりあえず、いろいろ試してみようか。私たちには時間はたくさんあるからね。外に出よう。こっちだ。』
アウナについていって、出口にたどり着いた。数日ぶりの外である。外に出ると、太陽の光が眩しくとても目を開けられるような状態ではなかった。
(アウナ、魔石何個か持ってない?)
『ん?これで足りるかい?』
そういってアウナは小さめの魔石を20個くらい取り出した。
(ちょっと試してみる。【創造魔法】!)
【サングラス生成】……任意のデザインのサングラスを生成する。
(お、できたできた。)
『ん?眼鏡かい?それにしては黒いけど。』
(太陽が眩しくてさ。ずっと地下にいたから。これをかけると太陽の光を抑えられるんだよ。)
『なるほどね。私たちはもともとそこまで目が良くないからそこまで気にならないね。』
(え?でも目が悪そうなそぶりはなかったけど。)
『私たちは嗅覚や聴覚、触覚が発達しているからね。目が悪くてもある程度生活はできるんだよ。
とりあえずたくさんの植物を持ち帰ってといれっとべえぱぁを作ってみよう。この木の名前はリーフシドーゼだね。金属みたいに硬いからあまり向いてないかもしれないけど一応取っておくね。』
そういってなんかよくわからない魔法で木を切断して、なんか白い袋に入れ始めた。
(ナニソレ?)
『ああ、これかい?これは空間魔法を応用してオエピィが作ってくれた奴で倉庫1個分くらいの体積までなら入る優れものだよ。オエピィは天才だからね。』
オエピィがどのくらいすごいかという話をしながら、いろいろと採取しているその時のことだった。
上から蜘蛛が降ってきた。木に擬態していたようだ。
『ム!魔物か!私に気配を悟らせないとはなかなかやるようだ。あれはグダグルエジューンスパイダーか!
メロは下がっていて!私が気配を察知できないとなると君を攻撃から守ることができないかもしれないから。』
(ま、待って!)
『何故だ!危険なんだぞ!君に何かあれば私がアニ様に何と言われるか!』
(蜘蛛は俺の命の恩人なんだ。ナンタラコックローチを殺してくれるんだ!お願い!アウナの【念話】ちょっと会話をしてみてくれない?)
そう。蜘蛛とはみんなに嫌われているが、カ(蚊)やハエ、Gなどを食べてくれる益虫なのである。
虫の中でもあいつはよい存在のだ。無碍に扱うわけにはいかないだろう。
『メロがそこまで言うなら。おい、そこの魔物よ!私たちが君の領域に侵入したことは謝る。ここは素直に去るから、攻撃をしないでもらえるか?』
『ワタシは、アナタガタにコウゲキをクワエルツモリはナイ。タダ、アナタタチのボウダイなマリョクにオドロイテシマッタダケナノダ。オチカヅキのシルシトシテコノイトをワタシテオコウ。コレをミニマトッテイレバワタシのリョウイキにハイッテモキガイをクワエルコトはナイとチカオウ。』
(なんて言ってる?)
『びっくりしただけで危害を加えるつもりはないらしい。』
そういうと腹の部分から白い糸がシュルシュルという効果音が点きそうな勢いで吐き出された。
『ワタシのイトはジョウブダカラ、ソウビナドニツカウトヨイ。マタアエルトヨイナ。』
『ありがとう。』
(今度はなんて言ってるの?)
『この糸を使った装備を着ていれば危害を加えないって。キリもいいしそろそろ帰ろうか。』
(そうしようか。)
【そろそろ変身戻したほうがいい時間帯になってきたから戻ったほうが良いわよ。】
(あ、まじか。アウナ、ちょっと変身止めないといけないから帰るまでおんぶして欲しいんだけどできる?)
『そのくらいお安い御用だよ!変身終わって服を整えたら帰ろうか』
変身が解けると服が緩んでしまうので、整えないといけないのである。変身するたびに服が最初からセットでついてくると思ったら間違いなのである。
変身を解除する。急に重力を感じるようになって立っているのもつらい。必死の思いで【散髪】で髪の毛を整える。
(準備できたよ。おんぶお願い。)
イレギュラーはあったものの、俺はトイレットペーパーを作る素材を手に入れたのであった。
蜘蛛の元ネタはダーウィン・バーク・スパイダーです。糸の強度がめっちゃ強いらしいです。
今後の設定と物語の行動が矛盾していたので修正しました。10/1




