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弐拾壱話 異世界ってどうして『剣』が主流なんだろうね?

この作品の題名を最初ムショクの○○(無色と無食という意味をかけて)とかにしようと思っていたんですけどあの有名な作品とかぶっていてやめたんですよね。

弐拾壱話 異世界ってどうして『剣』が主流なんだろうね?


アウナに言われたとおりにイムチアンに案内されて訓練場に案内された。訓練場は一番下層にあり、天井は2~30mはありそうな高さだった。案内されて10分くらい経ったところでアウナが訓練場にやってきた。


『じゃあ、変身した姿で先に戦闘能力を測ろうか。変身まえの姿では戦闘にすらならないかもしれないからね。戦闘能力測るわけだけども、とりあえずはこの森の魔物を倒せるようになってもらいたいから短剣とかのリーチの短い武器より長い武器で能力をはかるよ。森で戦うのに槍は戦いにくいと思ったかもしれないけどこの森は木と木の生える間隔が広いから問題ないよ。とりあえず初心者でも使いやすい槍で試してみよう。左の壁側に槍がいくつか置いてある部屋があるはずだから、自分に合いそうだと思ったやつを持ってきて。』


そう言われたので左の壁際の部屋を開けて入ってみると数え切れないほどの槍が鎮座していた。


みんなは異世界で武器を扱うとき何を思い浮かべるか?基本は剣や刀などの武器である。しかし、銃が世界に広まる前までは槍が主流であった。なぜラノベで槍をメインにしてくれなかったのだろうか?ラノベの世界で槍がメイン武器であったならば、自分がもっと槍をうまく扱えたかもしれないというのに。


槍の扱い方について考えてみる。ここにある槍の種類を大まかに2つに分類してみると先端が尖がっている刺突系の槍と、先端に刃ついている斬撃系の武器がある。


両方のメリットとデメリットを考えてみる。以降、刺突槍、斬撃槍と呼ぶことにする。刺突槍のメリットとしては、前に槍を繰り出すというのが基本行為で比較的簡単である。目やのど、心臓などを直接攻撃できて上達すれば素早く致命傷を与えることができるかもしれない。ただし相手に攻撃を読まれやすいというデメリットがある。

一方斬撃槍の方を考えてみる。斬撃槍は振り回した終着点に相手がいなければならない点や遠心力に振り回されるという懸念もある。ただし相手が複数いる場合は斬撃槍の方が有利かもしれない。また、出血量を考えると傷口が大きくなりやすい斬撃槍の方は長期戦に向いているかもしれない。


総合的に考えて刺突槍を使おうと思う。決定打はやはり使いやすそうという点である。なかでも一番短めの推定3mの槍を使うことにした。6mとか8mの槍もあったんだけど使いにくそうだったから。


持ってみる。意外とずっしりとしていて重い。【魔法神降臨】を使っているから筋力も高いはずなんだけどな。


槍を持って武器倉庫のような部屋をでてアウナのところへ戻る。戻ってきたらアウナも4mくらいの槍を持っていた。


『おっ、戻ってきたみたいだね!君の選んだその槍は【無骨】っていうんだ。色が黒単色で夜とか戦闘するときに敵に視認されにくいんだよね、それ。じゃあ早速お試しということで、戦ってみようか。槍の構え方は、利き手の方で柄の後方を反対側の手で前方を持つ。つかむ両手の間隔の幅は64ゴルくらいで。利き手と反対側の足を少し前へ出して、体は少し左向きに構えて、腰を落とす。じゃあ、さっそく戦ってみようか。私は防御しかしないから殺す気でかかってきていいよ。準備ができたら君のタイミングで攻撃してきていいよ。立つ位置のところの地面に線があるからそこの上から戦闘開始だよ。』


とりあえず白い線の上に64ゴル、えっと何センチだっけ?確か0.625かければいいから、40cm?えっと構えは左手と左足を前にして腰を落とす、と。


槍での戦い方はよくわからないのでとりあえず走って近づきアウナの心臓らへんを目がけて槍を繰り出してみる。

すると俺の槍はアウナの槍によって外側にそらされてしまった。


『踏み込みが甘い!足で地面をけることをもっと意識して!腕だけで槍は扱えないよ!』


どうにかして体勢を立て直して次はフェイントをしてみようと思う。正面に一回突き出すように見せかけて引き戻し顔の方向へもう一回付きだす。


しかしアウナはフェイントには反応せずに2回目の攻撃を的確にはじいてきた。


『視線でバレバレだよ!自分自身もフェイントが本命だと思って攻撃をしないと!』


この後も何回かアドバイスを受けてアウナによる戦闘能力の測定は終わったのであった。


『あれだね、君の槍の才能は一般的よりやや下回るって感じだね。目は良さそうなんだけど、体幹がないし反応速度が若干遅いね。君は弓とか投擲武器とかそっちの方が向いてそうだね。そろそろ料理ができる頃だからいったん中断して弓の練習をしようか。弓基本で近距離でも叩けるようにある程度は槍もやることにしようか!とりあえず、その槍はまた使うから、入り口の壁付近に立てかけておこうか。じゃあ、厨房に戻ろうか。』



アウナとイムチアンと一緒に上層階へ向かい、俺とイムチアンは食堂へアウナは厨房へと向かっていった。

しばらく待っていると木でできた皿に装われた料理をアウナが持ってきた。

湯気がふわふわと漂っている。料理を食べるのは何年ぶりだろうか?


『はいどうぞ。ニンゲンには少し熱いと思うから少し冷ましてから食べてね。味の好みを知るための食事でもあるから遠慮なく言ってね。』


フォークのようなものも一緒に渡されたので、少量をつまんで、フーフーしながら冷めるのを待つ。

数年ぶりの食べ物を口の中へ入れる。


──温かい。一口含んで最初に思った言葉がこれだった。もう二度と食事なんて出来ないものだと思っていた。

この一口はカルメラに「生きている」ことを数年ぶりに感じさせた。

頬に涙が伝い、皿の中へと零れ落ちる。泣かないと決めたはずなのに涙が溢れ出して止まない。


味の好みを調べるための食事ということを忘れて、皿にがっつくカルメラであった。


その光景を見ていたイムチアンとアウナは子供らしさを始めて見せたカルメラに安心するのであった。




剣が主流になったのはなぜでしょうね?本来強かったはずの槍や弓の影が薄い気がします......。

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