第拾玖話 異世界行っても『10進数』ってご都合主義じゃね?
更新するは火曜~木曜の間、もしくは土日がメインになると思います。
第拾玖話 異世界行っても『10進数』ってご都合主義じゃね?
アニにたちに【発毛】をみんなに使っていたら、夜になっていたので鍛えるのは次の日にするということになった。起きるとみんなが毛むくじゃらで、原形もない生き物になっていた。
(なにがあったの?)
『やぁ、おはよう。髪の毛が生えたことがうれしくて、試しにネズミの姿に戻ってもっと魔力を込めていたら、伸びすぎてしまってね。切ろうと思っても切れなくて困っているんだけどどうしたらよいと思う?』
【発毛】⋯⋯術者の魔力を消費して髪の毛を生やす。魔力を込める量ほど髪の毛が伸び、強靭になる。
(さては魔力を込めすぎたな?髪の毛を切るスキルを作るか。【魔法神降臨】を解除した後に、髪の毛を切れれば髪の毛が邪魔にならなくなるしな。でも魔石がないな。どうしようかな。)
『あ、魔石なら、魔石好きのオエピィが溜めてると思うよ。貴女のためにならくれると思うし。
オエピィならここから出て右に曲がったところをまっすぐに行けばいると思うよ。扉があると思うけど、無視して開けても大丈夫だよ。実験に集中してて、ノックに気づかないから。』
◆
アニの部屋を出て言われた通りに廊下進んでいくと、扉があったのでそのままノックをせずに扉を開けた。
すると180cmくらいの痩せ型で眼鏡のかけたおそらくオエピィと思われる人が何かをいじっていた。
(あの、すみません。アニに魔石をここで譲ってくれるって聞いたんだけど)
『おや、メロではないか。』
(何そのあだ名?誰がつけたの?)
『昨日堅苦しいのが疲れるのが嫌だと言ったので、あなたが寝た後皆で考えたのだよ。ちなみにメロという名前はアニ様が決めたのだよ。私と同じ二文字の名前で親近感がわくのが良いとか言っていたぞ』
(まあいいか。アニが毛を伸ばし過ぎて身動きできなくなって、髪の毛を切るためのスキルを創ろうと思ったんだけど、魔石が必要で、アニがオエピィに行ったら貰えるといっていたんだけど、少し分けてくれない?)
俺がそういうとオエピィは作業を止めて
『わかったよ。こっちに魔石を保管している倉庫があるからついてきてくれ。それにしてもアニ様も自重して欲しいものだ……。』
俺はアニに対して文句を言うオエピィについて行った。
◆
部屋を出てから倉庫までの距離は思ったより長かった。
『ここが魔石を保管している倉庫だよ。』
(何で魔石がさっきの部屋と離れた場所にあるの?近いほうが作業しやすいんじゃないの?)
『近くに倉庫があると作業中に爆発とかしたときに一緒に消し炭になってしまうからね。ある程度離れていた方が良いのだよ。』
(なるほど。あれ、そういえばどのくらいの量の魔石が必要なんだ?ネアどんくらい必要なの?)
【【創造魔法】はスキルの説明の文字数×1000の魔力を込めた魔石が必要だから想像する予定のスキルの文字数を先に数えておくといいわよ。】
(なるほど。【散髪】……対象の髪の毛を任意の長さまで切る。16文字だな。ということは1万6千の魔力が込められた魔石が必要だな。オエピィ、魔力が1万6千分ある魔石を分けてくれない?)
『1万6千か、じゃあこのヒュドラの魔石とサイクロプスの魔石で足りると思うよ。はい、じゃあこれで、
アニ様の髪の毛を切ってくれよ。魔石は大きくて、運ぶのには向かないからここで作ったほうが良いと思うよ』
そう言うと棚の上に置いてあった半径20cm魔石を地面に置いた。
(魔石ってこんなでかいんだ。じゃあスキルを作るか。【創造魔法】!!)
【散髪】……対象の髪の毛を任意の長さまで切る。
(よし、できたぞ!ありがとう、オエピィ。アニのところに行ってくる)
といって、出ていこうとしたけど、道が分らなかったので、結局オエピィに案内してもらうことにした。
◆
オエピィにアニの部屋へ案内してもらっている間に聞いた話だけど、さっき作業してたのは魔道具を作っていたらしい。松明っぽいのに見えたのは光源の魔道具で、木の中に回路を組んで魔石を埋め込んで光らせているらしい。
洞窟内を照らしている松明っぽいものは全部オエピィが作っているらしい。たまに明かりが点かなくなるから予備を作ってためておくんだって。
(アニ、魔法を作ることができたよ。どのくらいの長さに切ればいい?)
『えっと48ゴルくらいでお願い。』
(俺1ゴルってどのくらいの長さかわからないんだけど?)
単位って前世と違うのか。異世界モノってそういうの考慮してくれるものじゃないの?ちなみにこの世界の計算は時間を除いて10進数ということはわかっている。10進数ということが唯一の救いといってよいだろう。
『あ、そっか。今はゴルって単位つかわれていないんだっけ?えっと、そこの壁についてる松明が32ゴルくらいだから、そこから1ゴル求めて。』
そういわれたので松明の長さを目測で計ってみると、だいたい、20cmくらいということがわかったので、
1ゴルは
32:1(ゴル) = 20:x(cm)
32x=20
x=5/8
⇔0.625cm/ゴル
1ゴルはだいたい0.625cmということか。
ということは、48ゴル×0.625cm/ゴル=30cm
30cmをイメージしながら、魔法を発動する。
【散髪】!
イメージは髪の毛の共有結合をぶった切るイメージで。イメージが明確になると、アニの髪の毛の30cmくらいの部分が光り始めて、ハラハラと髪の毛が落ちていった。
『おお、スッキリした。ありがとう。助かったよ。毛が生え変わるまで動けなくなるところだったよ。』
(この作業、伸ばしすぎた人全員にやらないといけない?あと、この髪の毛どうするのさ?)
『ごめんって。何百年も生えてなかった毛が生えたらうれしいものじゃないか。1日はしゃいだくらいで
そんなに怒らないでくれよ。切った髪の毛なら、服にでも加工すれば結構いいのができるんじゃない?
何せ私たちの毛は頑丈だからね。ウイモっていう私たちの服を作ってくれている人がいるから、全員分切り終わったら、イムッチにそこまで運ばせとくよ。そしたら君のその裸マントも卒業できるんじゃない?』
カルメラ→メラ→メロ
1ゴルという単位は 1cmを黄金比を2桁まで使用したもので割ったものです。
黄金比は(1+√5)/2=(1+2.2360)/2=3.2360/2=1.618
なので1/1.6=0.625となるのです。
ゴルというのは黄金比を英語で Golden ratio というそうなので頭文字からゴルをとって名付けました。




