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第拾漆話 『ボルボックス』以上に可愛い動物は存在しないと思う。異論は認める

いつまで裸マントなのだろうか。いや誰にも分らない。(反語)

第拾漆話 『ボルボックス』以上に可愛い動物は存在しないと思う。異論は認める


作り直した家で一晩床で寝て次の日になった。この女性の身体にはなかなか慣れない。

うつ伏せで寝ようと思ったら、その……何というか胸がつぶされて痛かったんですよ。裸マントだし。


俺,いつもうつ伏せで寝てたのに仰向きか横向きでしか寝れない。寝るときは【魔法神降臨】解除しようかなぁ。

【魔法神降臨】をしている間は身長が150cm前後になるから動くときはこっちの方が便利なんだよなぁ。

解除すると5歳児──90cmほどまで縮んじゃうから不便なんだよ。走れないし。髪の毛も伸びたままになるからじゃまだしね。


さてと、愚痴はここまでにして今日はネアに言われた通り精霊を作ろうと思う。


【どんな見た目のを作るの?】


(それは、もちろんあれだよ。あれしかないじゃん)


【何よ、あれって。】


(ボルボックスだよ。緑色で丸くてかわいいんだ。)


【何そのボルボックスって?聞いたことないんだけど?】


(微生物だよ。ボルボックス以上に可愛い生き物なんて存在しないよ。異論は認めるけど。細胞群体を形成して、捕食されにくくしているらしいよ。じゃあ、さっそく【創造魔法】!)


頭の中に、ボルボックスとボルボックスに与えるスキルを想像しながら手をかざし、【創造魔法】を発動させる。一体だと、物足りない気がするから2体作ろう。


色鮮やかな光りの奔流がカルメラの全身を駆け巡る。光はだんだんと収束し、20cm台の緑色の球体がカルメラの前へ2体生まれた。


おお、できた。鑑定してみよう。【観察眼】!



*************************************************


名前:名無し

年齢:0歳

種族:エレメンタル・ボルボックス

性別:男

状態:良好

加護:魔法神の加護

称号:人口精霊

LV:1

体力:5/5

筋力:4

防御力:5

魔力:1兆/1兆

知力:4

魔力抵抗:5

俊敏:6

幸運:4

スキル

【千里眼】

【身体強化魔法】LV:1

【回復魔法】LV:10

【魔力操作】LV:10

【魔力制御】LV:10

【光合魔成】LV:10

【魔呼吸】LV:10

【分裂】

【結合】

【念話】

【感覚共有】

【物質生成】

【状態異常無効】

【人化】

*************************************************


(もう一匹は?)

 

*************************************************


名前:名無し

年齢:0歳

種族:エレメンタル・ボルボックス

性別:女

状態:良好

加護:魔法神の加護

称号:人口精霊

LV:1

体力:5/5

筋力:3

防御力:5

魔力:1兆5千億/1兆5千億

知力:5

魔力抵抗:5

俊敏:5

幸運:10

スキル

【千里眼】

【水魔法】LV:1

【回復魔法】LV:10

【魔力操作】LV:10

【魔力制御】LV:10

【光合魔成】LV:10

【魔呼吸】LV:10

【分裂】

【結合】

【念話】

【感覚共有】

【物質生成】

【状態異常無効】

【人化】  

*************************************************



男の方をエル、女の方をレンにしよう。名前の由来はエレメンタルからとった。


安直な名づけとかいうなよ。


(マイクテス、マイクテス。聞こえてるかな?俺はカルメラ。君たちの名前は。エルとレンだ。

 よろしく。)


「「わかりました。」」


(おお!これでどうすればいいんだ?)


【とりあえずこれで、あなたの魔力の過剰な回復は抑えられるはずだから、次は筋力の回復よ。

 【魔法神降臨】を解除して、あなたの筋力を一般以上にするのよ。走ることができない状態では

 あいつを殺すことなんて一生できないわよ?】


(なるほど。確かに機動力が低くては話にならないな。でもどうやってやるんだ?)


【筋トレよ、筋トレ。とりあえず椅子の背もたれとか、ってそんなものはないか。とにかく立った時につかめるようなものを作って、それを支えにしてスクワットを3回、片足立ち1分を交互に3セットを1日の目標にしましょ。そうすればそのうち筋肉がついてくるはずだから、できるようになってきたら回数を増やして、それが楽勝といえるくらいになったら、走ったりする運動も少しずつすることにしようと考えているわ。】


『フム、その方法では筋力はつかないと思うがな。』


ふいに、頭の中へ声が聞こえてきた。


「だ、だれだ?」


『ここだよ。ここ。』


再び声が聞こえたと思ったら地面から穴が開いて、毛のない鼠のような魔物が出てきた。


(【鑑定眼】)


*************************************************


名前:イムチアン

年齢:437

種族:ラ・ソーロ・ラット

性別:男

状態:呪い

加護:なし

称号:魔之頂に立ツモノ

LV:421

体力:62兆

筋力:57兆

防御力:61兆

魔力:53兆

知力:62兆

魔力抵抗:50兆

俊敏:50兆

幸運:5

スキル

【審議】LV:10

【計算】LV:10

【大地魔法】LV:10

【無属性魔法】LV:10

【魔力回復速度上昇】LV:10

【連携】LV:3

【掘削】LV:10

【気配察知】LV:8

【気配遮断】LV:7

【呪い返し】【状態異常無効】【意思疎通】

【人化】

【念話】

*************************************************

(化け物かよ……。)

今まで見てきた生き物とは格が違う。さらに自分が魔力量世界最大と思っていたのに、自分以上の存在がいたことに開いた口がふさがらない。敵か味方かわからないので慎重に行動しなければ、自分が1秒にも満たない早さで殺されることが本能的に理解できた。


『はっはっは、その通り化物だとも。私に殺すつもりはないから安心するがいい。さっきの筋力の話だが、君はいくら鍛えても筋力はつかないと思うよ。私には【審議】は、その物事が正しいか正しくないか、あるいは出来るか出来ないかなどを数値化して見定めることができるのだよ。そして今使った結果が、0だったのだよ。』


(じゃあ、どうすれば筋力がつくのですか?)


『それは、【審議】によるとレベル上げと、成長のみらしい。成長すれば筋肉量も増えるし、レベルが上がると自然と力がつく。もちろん普通の生き物はトレーニングすることによっても筋力は上がるが、君は無理なようだ。ここで提案なのだが、私たちの種族にはある悩みがあってね、それを私の仲間がとあるスキルによって、君に協力してもらえれば、解決できることが分かったんだ。そこで提案なんだが、君は私たちの悩みを解決する。私たちは君たちをレベル上げで鍛える。どうかね?』


悪い話ではないと思う。


『受けてみればいいんじゃないの?どうせこのままだと何もできないらしいし。』


(なんでお前が俺の筋肉が戻らないことがわからねえんだよ。神様なんだろ?)


『うっさい。神が万能だと思ってんじゃないわよ。神が万能だったら今頃戦争も起きてないし、こんなに苦労もしてないわよ。頭お花畑なの?』


(確かに。停滞は死と同じってね。てか言い過ぎじゃね?まあいいや。えっとじゃあ、お願いします。

 どうすればいいの?)


『とりあえず我が王に合ってもらおう。ついてきてくれ。さっきいた、緑色の精霊もつれてくるといい。

 一緒に鍛えられるだろう。この穴の中に潜ってくれ。とその前に、自己紹介を忘れていたね。

 私はイムチアンだ。よろしく。』


(カルメラだ。それと精霊のメルとレン。あとおまけのネアだ。よろしく)

(おまけってなによ!)


そう言って、俺たちはイムチアンに続いて、地下へと潜っていくのであった。

ボルボックスってかわいいですよね。

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