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第36話:新たな友情と静かな約束

 真壁基氏と真壁碧純は、アパートで穏やかな朝を迎えていた。

 碧純が朝食を準備しながら、昨夜のお風呂での会話を思い出した。

「お兄ちゃん、昨日一緒にお風呂入ったね。ちょっとびっくりしたよ」

「あぁ、お前が急に入ってきたからな。けど、分かってくれて良かった」

「そだね~。お兄ちゃんの健康管理、私がしてるから安心だよね」

「ポイント高いな」

「うん、妹的なポイント。お兄ちゃん、私のことちゃんと見ててね」

「あぁ、見てるよ。お前、俺の大事な女だからな」

 碧純が顔を赤らめ、朝食を運んだ。

「いただきます」

「いただきます。お兄ちゃん、今日何するの?」

「異世界冒険の原稿進める。編集者に進捗報告だ。お前は?」

「学校だよ。有紀ちゃんにまた会おうかな」

「委員長か。お前、友達増えたな」

「うん、だよね~。お兄ちゃんと一緒なら、なんでも平気だよ」

「俺もだ。お前がいてくれるから、なんでも乗り越えられる」

 二人は笑い合い、朝を穏やかに過ごした。

 その日、碧純は学校で結城有紀と昼休みに会った。

「碧純ちゃん、昨日は楽しかったでござる」

「うん、有紀ちゃん、クッキー美味しかったよ。お兄ちゃんも喜んでた」

「良かったでござる。先生と碧純ちゃんのやりとり、羨ましいでござるよ」

「そう? 有紀ちゃん、一人っ子だからかな」

「うん、兄妹の絆素敵でござる。昨日、誤解しないでくれてありがとうでござる」

「うん、だよね~。お兄ちゃんのこと秘密にしててね」

「当然でござる。学校でバレないようにするでござるよ」

 二人は笑い合い、新たな友情が芽生えた。

 教室では、久滋川亜由美が碧純に近づいた。

「碧純ちゃん、委員長と仲いいね」

「うん、昨日うちに来てさ。お兄ちゃんにクッキー渡してたよ」

「へぇ~、痛車のお兄ちゃん、どうだった?」

「笑ってたよ。変な荷物届いてたから、みんなで笑った」

「面白いお兄ちゃんじゃん。噂も収まったみたいだし」

「うん、だよね~」

 噂は笑いものとして収束し、クラスは穏やかだった。

 放課後、図書委員の仕事中、結城有紀が碧純に言った。

「碧純ちゃん、昨日のお茶美味しかったでござる。また遊びに行っていいでござるか?」

「うん、いつでも来てね。有紀ちゃん、お兄ちゃんのことどう思う?」

「先生、優しいでござる。作品愛がすごいでござるよ」

「うん、だよね~。ちょっと変だけど、私には大事なお兄ちゃんだよ」

「分かるでござる。碧純ちゃんが大事だから、先生も頑張ってるでござるね」

 二人は友情を深め、静かな約束を交わした。

 夕方、アパートに戻った碧純が夕飯を準備した。

「お兄ちゃん、実家から届いたそばでけんちん蕎麦にするね」

「美味そうだ。ありがとな、お前」

「そだね~。お兄ちゃん、有紀ちゃんまた来たいって」

「そうか。ユエル、いい子だな。お前のおかげで友情できたんだろ」

「うん、だよね~。お兄ちゃんと一緒なら、友達も増えるよ」

「お前が大事だからな。昨日のお風呂で分かっただろ」

「うん、お兄ちゃんの気持ち分かってるよ。卒業まで待つって」

「あぁ、お前が楽しく学校生活送れるなら、俺はそれでいい」

「お兄ちゃん、それポイント高いよ」

「ポイントばっかりだな。お前と一緒なら、なんでも乗り越えられる」

 食後、基氏が原稿を進めていると、佳奈子からメッセージが来た。

『碧純、基氏を誘惑した? 衣装着て現実に戻してね。孫楽しみにしてるわ』

「お兄ちゃん、ママまだだよ…」

「母さん、執念深いな。けど、お前と一緒なら笑いものだ」

 結城有紀からもメッセージが届いた。

『碧純ちゃん、昨日楽しかったでござる。また遊びに行くでござるよ』

「有紀ちゃん、ほんと律儀だね。お兄ちゃん、友達増えたよ」

「お前のおかげだな。お前がいてくれるなら、噂も母さんの策略も怖くねえよ」

 二人は笑い合い、新たな友情と静かな約束で絆を深めた。



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