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第33話:学校での波紋と兄妹の決意

 真壁基氏と真壁碧純は、アパートで佳奈子の策略に笑いものな朝を迎えていた。

 碧純が朝食を準備しながら、昨夜の荷物を話題にした。

「お兄ちゃん、ママの衣装とコンドーム、すごいよね。誘惑しろって…」

「あぁ、母さんの孫への執念、笑えるよ。お前のおかげで気にならんけど」

「そだね~。お兄ちゃんの健康管理、私がしてるから変な心配いらないよね」

「ポイント高いな」

「うん、妹的なポイント。お兄ちゃん、私のことちゃんと見ててね」

「あぁ、見てるよ。お前、俺の大事な女だからな」

 碧純が顔を赤らめ、朝食を運んだ。

「いただきます」

「いただきます。お兄ちゃん、今日何するの?」

「異世界冒険の原稿進める。ユエルの取材メモも整理する。お前は?」

「学校だよ。あゆちゃんにママの荷物話して笑おうかな」

「ギャル系の友達か。母さんの策略、お前と一緒なら笑いものだ」

「うん、だよね~。お兄ちゃんと一緒なら、ママの思惑も怖くないよ」

「俺もだ。お前がいてくれるから、なんでも乗り越えられる」

 二人は笑い合い、朝を穏やかに過ごした。

 その日、碧純は学校で久滋川亜由美と昼休みに話していた。

「碧純ちゃん、ママまた荷物送ってきたの?」

「うん、コスプレ衣装とコンドームだよ。誘惑しろってさ」

「ははっ、すごいね。お兄ちゃん、どうしたの?」

「笑ってたよ。私も笑っちゃったけど、ママ本気すぎ」

「面白いね。痛車のお兄ちゃん、優しいんだね」

「うん、ちょっと変だけどね。昨日、委員長とも話してさ」

「『筑波のエルフ』? どうだった?」

「うん、誤解解けて良かったよ。お兄ちゃんのこと秘密にしてくれるって」

「へぇ~、いい関係だね」

「うん、だよね~」

 一方、結城有紀は教室で昨日の出来事を振り返っていた。

「真壁さんの兄が先生…バーチャルユエルとして関わってるなんて驚きでござる」

 彼女は秘密を守る決意を固めつつ、学校での波紋に気づき始めていた。

 放課後、図書委員の仕事中、あゆみが碧純に近づいた。

「碧純ちゃん、委員長と仲良くなったんだね」

「うん、昨日ちょっと話してさ。お兄ちゃんのこと誤解してたみたい」

「へぇ~、何か秘密でもあんの?」

「うっ…いや、別に。ただ、お兄ちゃんの車見てびっくりしてただけ」

「痛車だもんね。面白いお兄ちゃんじゃん」

「うん、だよね~」

 その会話がクラスに広がり、別のクラスメイトが噂を始めた。

「真壁さんのお兄ちゃん、痛車乗ってるらしいよ」

「『お兄ちゃんのためならパンツもあげるよ』って書いてあるって」

「え、マジ? 作家とかじゃないの?」

 波紋が広がる中、結城有紀が耳にし、内心焦った。

「学校で噂になってるでござる…内密にしてるのに、どうすればいいでござるか」

 夕方、アパートに戻った碧純が夕飯を準備した。

「お兄ちゃん、実家から猪肉届いてたよ。シチューにするね」

「美味そうだ。ありがとな、お前」

「そだね~。お兄ちゃん、学校で噂になってたよ」

「何だ?」

「お兄ちゃんの痛車のこと。『作家じゃないの?』ってさ」

「マジか。ユエルの秘密は大丈夫か?」

「うん、委員長は秘密にしてくれるって。私もお兄ちゃんのこと隠したよ」

「お前のおかげだな。母さんの策略より、学校の噂のが厄介だ」

「うん、だよね~。でも、お兄ちゃんと一緒なら平気だよ」

 食後、基氏が原稿を進めていると、佳奈子からメッセージが来た。

『碧純、基氏を誘惑した? 孫楽しみにしてるわ』

「お兄ちゃん、ママまだだよ…」

「母さん、執念深いな。けど、お前と一緒なら笑いものだ」

 結城有紀からもメッセージが届いた。

『真壁さん、学校で噂になってるでござる。先生のことは秘密にしてるでござるよ』

「委員長、律儀だね。お兄ちゃん、噂どうしよう?」

「放っとけ。お前がいてくれるなら、なんでも乗り越えられる。お前は俺の大事な妹だ」

「お兄ちゃん、それポイント高いよ」

「ポイントばっかりだな。お前と一緒なら、学校の波紋も母さんの策略も怖くねえよ」

 二人は笑い合い、新たな決意を固めた。



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