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第26話:異世界の夢と実家の呼び声

 真壁基氏と真壁碧純は、アパートでの朝を迎えていた。

 碧純が朝食を準備しながら、楽しそうに話しかけた。

「お兄ちゃん、今日のお弁当、猪肉の生姜焼きだよ。ちゃんと食べてね」

「あぁ、ありがとな。お前のおかげで毎日美味い飯が食えるよ」

「そだね~。お兄ちゃんの健康管理、私がしっかりやるからね」

「ポイント高いな」

「うん、妹的なポイント。お兄ちゃん、私のことちゃんと見ててね」

「あぁ、見てるよ。お前、俺の大事な女だからな」

 碧純が顔を赤らめ、朝食を運んだ。

「いただきます」

「いただきます。お兄ちゃん、今日何するの?」

「異世界冒険の原稿書き始める。編集者と打ち合わせもある。お前は?」

「学校だよ。あゆちゃんと新企画の話でもしようかな」

「ギャル系の友達か。お前、俺のこと何て話してるんだ?」

「うん、だよね~。新しい挑戦してるって。すごいお兄ちゃんって自慢してるよ」

「へぇ、ありがとな。お前が応援してくれるから、俺も頑張れる」

 二人は笑い合い、朝を穏やかに過ごした。

 その日、基氏は編集者と電話で打ち合わせをしていた。

「茨城先生、異世界冒険のプロット、詳細詰めましょう。どんな感じで進めるつもりですか?」

「主人公が異世界で仲間集めて冒険する話だ。妹物みたいに家族の絆も入れたい」

「いいですね! 茨城先生らしい味が出そうです。妹物ファンも納得するかも」

「あぁ、お前のおかげでアイデア固まったよって、妹に感謝してる」

「妹さん、影響力ありますね。原稿楽しみにしてますよ」

「あぁ、頼む」

 電話を切り、基氏は原稿に向かった。

「お前がいるから、異世界にも妹の影入れられるよ、碧純」

 一方、碧純は学校で久滋川亜由美と昼休みに話していた。

「碧純ちゃん、お兄ちゃんの新企画って何?」

「うん、新しい仕事の挑戦だよ。詳しくは言えないけど、面白そうなんだ」

「へぇ~、すごいね。お兄ちゃん、優しいんだよね?」

「うん、ちょっと変だけど、私のこと大事にしてくれるよ」

「いいなぁ。私の弟、バカすぎて憧れるよ」

「中二病、まだ続いてる?」

「うん、昨日も包帯巻いて何か宿ってるって。笑えるけど」

「ははっ、お兄ちゃんも昔そんな感じだったよ」

「オタクっぽいよね。どんな感じ?」

「うーん…アニメ好きで、真剣なとこもあるよ。私も応援したいな」

「優しい妹だね。いい関係じゃん」

「うん、だよね~」

 碧純は基氏の作家活動を隠しつつ、笑顔でごまかした。

 夕方、帰宅した碧純がキッチンで夕飯の準備を始めた。

「お兄ちゃん、実家から野菜届いてたよ。山菜炒めにするね」

「美味そうだ。ありがとな、お前」

「そだね~。お兄ちゃん、異世界冒険の原稿どう?」

「書き始めたよ。主人公に妹キャラ入れちゃった。お前、読みたいか?」

「うん、読みたい! お兄ちゃんの新しい夢、応援するよ」

「お前が最初に読む読者な。感想頼むぞ」

「お兄ちゃん、それポイント高いよ!」

「またポイントか。なんの特典だ?」

「私がずっとそばにいる特典。お兄ちゃん、私と一緒に頑張ってね」

「あぁ、お前がいてくれるから、俺も頑張れるよ」

 食後、基氏が原稿を進めていると、碧純が荷物を開けた。

「お兄ちゃん、ママから手紙入ってたよ。『基氏、碧純、元気? SUV買ったら帰ってきてね。忠信が猟楽しみにしてるわ。冷凍庫、軽トラで運ぶから準備しといて』だって」

「母さん、父さんの猟に本気だな。冷凍庫、ガレージに置く準備するか」

「うん、猪肉保存できるし、冷凍食品も充実するよ。お兄ちゃん、SUVいつ買うの?」

「次の印税入ったらすぐだ。痛車は趣味用に残して、家族用に普通の車買うよ」

「イラスト塗り直してよね。スクール水着なんて絶対やめてよ」

「新刊に合わせて変えるのもありだな」

「バカ兄貴! やめてよね!」

 碧純が蹴りを入れそうになり、基氏が逃げて笑った。

「お前、実家帰るの楽しみにしてるだろ?」

「うん、パパとママに会いたいし、お兄ちゃんと一緒ならもっと楽しいよ」

「俺もだ。父さんの猟手伝って、母さんに異世界冒険の話でもするか」

「うん、ママ喜ぶよ。私たちのこと応援してくれてるし」

「そうだな。お前と一緒なら、実家も賑やかだ」

 その夜、碧純はサブスクでアニメを開いた。

「お兄ちゃんの異世界の夢、応援しないと。アニメでアイデアもらおうかな」

 基氏は原稿を進めながら呟いた。

「お前が俺のそばにいてくれるなら、異世界も怖くねえよ」

 翌日、基氏は編集者から返信を受けた。

「茨城先生、原稿の冒頭読みました。妹キャラがいい味出してますね!」

「ありがとな。家族の絆入れたいから、妹は外せなかった」

「最高です。読者、引き込まれますよ。続き楽しみにしてます」

「分かった。頑張るよ」

 電話を切り、基氏は碧純に報告した。

「お兄ちゃん、編集者から好評だったよ。異世界に妹キャラ入れたのが当たったみたい」

「ほんと!? すごいね! お兄ちゃん、私、応援してるからね」

「あぁ、お前のおかげだよ。実家帰ったら、母さん達にも報告するか」

「うん、パパとママ、喜ぶよ。お兄ちゃんと一緒なら、私も嬉しい」

 二人は笑い合い、新たな夢と家族との未来に目を向けた。



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