第24話:新たな挑戦と家族の影
真壁基氏と真壁碧純。
アパートで朝を迎える。
穏やかな光が差し込む。
リビングに朝陽。
碧純がキッチン。
朝食の準備。
卵を焼く音。
お弁当箱が並ぶ。
碧純が笑顔で言う。
フライパンを手に。
「お兄ちゃん、今日もお弁当作ったよ」
「ちゃんと食べてね」
「あぁ、ありがとな」
「お前のおかげで健康志向になってきたよ」
「そだね~」
「お兄ちゃんの健康管理、私がしっかりやるからね」
「ポイント高いな」
「うん、妹的なポイント」
「お兄ちゃん、私のことちゃんと見ててね」
「あぁ、見てるよ」
「お前、俺の大事な女だからな」
碧純が顔を赤らめる。
朝食を運ぶ。
トーストと卵。
味噌汁の湯気。
「いただきます」
「いただきます」
「お兄ちゃん、今日何するの?」
「原稿仕上げて、編集者と次の企画の打ち合わせだ」
「お前は?」
「学校だよ」
「あゆちゃんとアニメの話するつもり」
「ギャル系の友達か」
「お前、友達との時間も大事にな」
「うん、だよね~」
「でも、お兄ちゃんとの時間も大事だよ」
「俺もだ」
「お前がいてくれるから、毎日が楽しい」
二人が笑う。
朝を穏やかに。
温かい時間。
その日。
基氏が自室。
電話で打ち合わせ。
編集者の声。
スピーカーから。
「茨城先生、新作の反応いいですよ」
「読者、妹物に夢中です」
「ありがとな」
「けど、次は異世界冒険も挑戦したいって言っただろ」
「え、マジですか?」
「妹物ファンが驚きますよ」
「妹物も続けるけど、新しいジャンルで読者を広げたいんだ」
「なるほど」
「面白いです!」
「企画書待ってますね」
電話を切る。
基氏が呟く。
原稿を見つめ。
「お前のおかげで、新しい挑戦ができるよ、碧純」
一方。
碧純が学校。
昼休み。
久滋川亜由美と話す。
教室の窓辺。
お弁当を広げる。
「碧純ちゃん、アニメ何観てる?」
「うん、『青春豚野郎』の続き観てるよ」
「あゆちゃんは?」
「私も観てる!」
「兄妹の関係が切なくてさ」
「お兄ちゃんいるから分かるよね?」
「うん…ちょっと似てるかな」
「お兄ちゃん、私のこと大事にしてくれるよ」
「いいなぁ」
「私の弟、バカすぎて憧れるよ」
「中二病、まだ続いてる?」
「うん、昨日も包帯巻いて何か宿ってるって」
「笑えるけど」
「ははっ、お兄ちゃんも昔そんな感じだったよ」
「オタクっぽいよね」
「どんな感じ?」
「うーん…アニメ好きで、真剣なとこもあるよ」
「最近、新しいこと始めようとしてるみたい」
「へぇ~、どんなこと?」
「うーん…仕事で新しい挑戦だって」
「私も応援したいな」
「優しい妹だね」
「いい関係じゃん」
「うん、だよね~」
碧純が笑顔。
基氏の作家活動。
隠しつつ。
ごまかす。
胸が温かい。
夕方。
碧純が帰宅。
キッチンへ。
夕飯の準備。
野菜を切る音。
「お兄ちゃん、実家から野菜届いてたよ」
「炒め物にするね」
「美味そうだ」
「ありがとな、お前」
「そだね~」
「お兄ちゃん、新しい挑戦って何?」
「編集者に異世界冒険の企画出したんだ」
「妹物も続けるけどな」
「ほんと!?」
「すごいね!」
「私、読みたいよ」
「お前が最初に読む読者な」
「感想頼むぞ」
「お兄ちゃん、それポイント高いよ!」
「またポイントか」
「なんの特典だ?」
「私がずっとそばにいる特典」
「お兄ちゃん、私と一緒に頑張ってね」
「あぁ、お前がいてくれるから、俺も頑張れるよ」
二人がテーブル。
炒め物を食べる。
山菜の風味。
懐かしい味。
食後。
基氏がソファ。
原稿を進める。
電話が鳴る。
佳奈子から。
スピーカーが光る。
「基氏、元気?」
「碧純はどうしてる?」
「あぁ、母さん」
「元気だよ。碧純もな」
「そう」
「仲良くしてるみたいね」
「ふふふっ」
「……何だよ、その笑い」
「何でもないわよ」
「基氏、次の印税入ったら、実家に帰ってきてね」
「忠信が猟手伝えってうるさいの」
「分かったよ」
「SUV買ったら帰るつもりだ」
「痛車はやめてね」
「あのイラスト、近所で笑いものよ」
「ははっ、母さんなら見せびらかすだろ」
「ふふふっ、そうね」
「基氏、碧純のことよろしくね」
「あぁ、分かったよ」
電話を切る。
基氏が碧純に言う。
ソファから。
「母さん、また帰ってこいって」
「父さんが猟手伝えって」
「うん、パパらしいね」
「私も一緒に行きたいよ」
「じゃあ、次はSUVで帰るか」
「冷凍庫も運ぶつもりだし」
「お兄ちゃん、それポイント高いよ!」
「ポイントばっかりだな」
「お前と一緒なら、実家も楽しいよ」
「お兄ちゃん、私もだよ」
「パパとママに会えるし、お兄ちゃんと一緒ならもっと幸せ」
二人が笑う。
家族との未来。
思い描く。
ワクワクする。
その夜。
碧純が自室。
サブスクを開く。
ベッドに座る。
呟く。
「お兄ちゃんの新しい挑戦、応援しないと」
「アニメで元気もらおう」
『青春豚野郎』を再生。
画面が光る。
兄妹の切なさ。
感じながら。
基氏が自室。
原稿を進める。
キーボードの音。
呟く。
「お前が俺のそばにいてくれるなら」
「新しいジャンルも怖くねえよ」
翌朝。
碧純が朝食。
お弁当を詰める。
基氏がリビング。
コーヒーを淹れる。
「お兄ちゃん、今日のお弁当、山菜入れておいたよ」
「あぁ、ありがとな」
「お前のおかげで健康だよ」
「そだね~」
「お兄ちゃん、新しい挑戦、頑張ってね」
「あぁ、お前が応援してくれるなら、なんでもできるよ」
「お兄ちゃん、それポイント高いよ」
二人が笑う。
朝食を囲む。
穏やかな朝。
絆が深まる。




