第13話:深まる絆と忍び寄る影
真壁基氏と真壁碧純。
つくば市のアパート。
新たな日常を続ける。
朝の光がリビングを照らす。
二人は朝食を食べる。
味噌汁の湯気。
トーストの香り。
碧純が笑顔で言う。
箸を手に持つ。
「お兄ちゃん、今日の味噌汁」
「ちょっと自信作だよ」
「どう?」
「あぁ、美味いよ」
「お前、ほんと料理上手くなったな」
「でしょ?」
「お兄ちゃんの専属シェフ目指してるからね」
「頼もしいよ」
「お前、俺の大事な女だからな」
碧純が顔を赤らめる。
基氏の手を握る。
温かい感触。
「お兄ちゃん、私、毎日幸せだよ」
「俺もだよ」
「お前がそばにいるからな」
二人は笑い合う。
穏やかな朝。
学校と執筆の忙しい一日。
スタートを切る。
碧純が学校へ。
制服のスカートが揺れる。
基氏は自室で原稿に向かう。
キーボードの音。
新作の妹キャラ。
碧純の影響が色濃い。
笑顔の描写。
彼女の声が響くよう。
仕草が目に浮かぶ。
「お前のおかげで、こんな話しか書けねえよ」
苦笑しながら。
締め切り前。
原稿を仕上げる。
編集者に送信。
その日。
碧純は学校。
教室でクラスメイトと話す。
机に座る。
「真壁さん、最近楽しそうだね」
「何かいいことあった?」
「うん、家族と仲良くしてるからかな」
「お兄ちゃんとも?」
「いいなぁ、私もお兄ちゃん欲しいよ」
「うん、お兄ちゃん、大好きだよ」
笑顔で返す碧純。
だが、心の中。
「お兄ちゃん、恋人でもあるんだよ」
呟く。
胸が温かい。
昼休み。
図書室で本を整理。
背表紙を並べる。
クラスメイトが近づく。
「ねえ、真壁さん」
「『茨城基氏』の新作読んだ?」
「う、うん、読んだよ」
「やっぱり妹物最高だよね」
「お兄ちゃんが素敵すぎる!」
「……そうだね」
「お兄ちゃん、優しいよね」
「真壁さんのお兄ちゃんもそんな感じ?」
「うん、優しくて、ちょっと変だけど」
「大好きだよ」
クラスメイトが目を輝かせる。
興奮気味に。
「いいなぁ」
「私、『茨城基氏』のお兄ちゃんみたいな人に会いたいよ」
碧純は苦笑。
心の中で複雑な気持ち。
「お兄ちゃん、私のことモデルにしてるって」
「バレたらどうしよう」
胸がざわつく。
夕方。
アパートに戻る。
玄関を開ける。
基氏がリビング。
コーヒーを飲む。
カップから湯気。
「お兄ちゃん、ただいま」
「原稿終わった?」
「お帰り」
「あぁ、さっき送ったよ」
「お前、夕飯何にする?」
「うーん、実家の猪肉まだあるから」
「シチューにしようかな」
「いいな」
「頼むよ、専属シェフ」
「うん、お兄ちゃんのために頑張るね」
碧純がキッチンに立つ。
鍋をかき混ぜる。
基氏がスマートフォン。
手に取る。
編集者からの返信。
『茨城先生、新作最高です!』
『読者の反応も楽しみですね』
『次の企画、どうします?』
「……次か」
「妹物以外も考えてみるか」
返信を打ちながら。
呟く。
「お前がいるから、妹物しか書けねえけどな、碧純」
夕飯のシチュー。
テーブルに並ぶ。
猪肉の香り。
二人は食べる。
スプーンが動く。
碧純が切り出す。
少し緊張した声。
「お兄ちゃん、私、今日学校で」
「『茨城基氏』の話聞いてたよ」
「そうか」
「どうだった?」
「みんな、お兄ちゃんの書くお兄ちゃんが素敵だって」
「私、ちょっと嫉妬しちゃった」
「嫉妬?」
「お前、何だよそれ」
「お兄ちゃん、私だけの恋人でいいよね?」
「あぁ、いいよ」
「お前、俺の大事な女なんだから」
碧純が笑顔。
基氏に寄り添う。
肩が触れる。
「お兄ちゃん、私、ずっとそばにいるよ」
「俺もだよ」
「お前と一緒なら、なんでもやれる」
その夜。
二人は寄り添って眠る。
穏やかな呼吸。
平穏な日常。
だが、次の日。
影が忍び寄る。
基氏のスマートフォン。
知らない番号から着信。
画面が光る。
「もしもし、茨城基氏さんですか?」
「あぁ、そうだけど、誰だよ」
「私、出版社の者なんですけど」
「ちょっとお話ししたいことがあって」
「……何だよ」
「実は、読者から噂が立ってるんです」
「茨城先生の妹キャラが、実在の人物に似てるって」
基氏の心臓がドクン。
跳ねる。
手が震える。
「何!?」
「何だよ、その噂」
「ネットで話題になってて」
「『茨城基氏の妹キャラは実妹がモデルじゃないか』って」
「ファンの間で盛り上がってるんですよ」
「……冗談だろ」
「本当なんです」
「もし事実なら、面白い企画になるかなって」
「事実じゃねえよ!」
「フィクションだよ、あれは!」
「そうですか」
「でも、読者の興味を引くなら、少し乗っかってもいいかもですよ」
「ふざけんな!」
「俺のプライベートに首突っ込むな!」
電話を切る。
基氏は頭を抱える。
額に汗。
「碧純がモデルだって、バレたらどうなるんだよ……」
その夜。
碧純が帰宅。
玄関を開ける。
基氏の様子がおかしい。
顔色が悪い。
「お兄ちゃん、どうしたの?」
「顔色悪いよ」
「……ちょっと仕事で揉めてな」
「何!?」
「大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ」
「お前、心配すんな」
「うん」
「でも、お兄ちゃん、私に隠し事しないでね」
「……分かったよ」
基氏は黙る。
碧純を抱き寄せる。
強く抱く。
「お前、俺の大事な女だよ」
「守るからな」
「お兄ちゃん、私もお兄ちゃんを守るよ」
二人は抱き合う。
不安を共有。
温もりが伝わる。
数日後。
碧純が学校で。
クラスメイトから聞く。
教室の喧騒。
「ねえ、真壁さん、知ってる?」
「『茨城基氏』の妹キャラが実妹モデルだって噂だよ」
「え!?」
「何!?」
「ネットで話題になってるんだって」
「ほんとかなぁ」
「……分からないよ」
「そんなことないと思うけど」
笑顔でごまかす。
だが、碧純の胸。
ざわつく。
鼓動が速まる。
帰宅後。
基氏に尋ねる。
リビングで。
「お兄ちゃん、ネットで噂になってるってほんと?」
「……あぁ、出版社から聞いたよ」
「読者が勝手に騒いでるだけだ」
「私、モデルだって言われてるの?」
「そうらしい」
「けど、事実じゃねえよ」
「フィクションだって説明した」
「うん」
「でも、私、ちょっと怖いよ」
「怖がるな」
「俺がなんとかするから」
基氏が碧純を抱きしめる。
強く抱く。
安心させるように。
「お前、俺のそばにいればいいよ」
「なんでも乗り越える」
「お兄ちゃん、私も頑張るよ」
「お兄ちゃんと一緒なら、大丈夫だよね」
「あぁ、大丈夫だよ」
二人の絆。
深まる。
だが、外部からの影。
忍び寄る。
ネットの噂。
広がりつつある。
数日後。
基氏がネットを見る。
SNSの投稿。
『茨城基氏の妹キャラ、実妹がモデル説濃厚!』
『リアルすぎる描写、偶然じゃないよね?』
コメントが溢れる。
ファンの憶測。
広がる波紋。
「くそっ、どうすりゃいいんだよ……」
碧純が帰宅。
基氏の表情。
暗い。
「お兄ちゃん、また何かあったの?」
「……ネットの噂、広がってるよ」
「え!?」
「どうしよう、お兄ちゃん」
「俺、出版社に連絡する」
「お前、心配すんな」
基氏が電話をかける。
編集者に言う。
「噂、どうにかならねえのか?」
「茨城先生、難しいですよ」
「ファンの盛り上がり収まらないです」
「逆に企画にしちゃうのもアリかと」
「ふざけんな!」
「お前ら、俺の人生弄ぶ気か!」
「すみません、でも話題性は大事で……」
電話を切る。
基氏は苛立つ。
碧純が近づく。
「お兄ちゃん、私、どうしたらいい?」
「お前は何もしなくていい」
「俺が守るから」
「うん」
「お兄ちゃん、私、信じてるよ」
二人は見つめ合う。
ネットの噂。
どこまで広がるのか。
世間の目。
二人の関係にどう影響するか。
それは、まだ誰も知らない。
二人の愛。
試練に立ち向かう。




