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喉元過ぎれば熱を忘れる  作者: 粗茶の品
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その真実は何処に


 姫崎はクラスでの仕事が終わると教室を出た。


 一緒の時間に担当だった人達の半分ほどが揃って同じ方へ歩いていく。姫崎はそれについてはいかなかった。


 おそらく着替えに行くのだろう。姫崎は接客の担当ではなかったので制服のまま作業していた。やって同じ方へ行く必要はなかった。


 人が常に動いているため立ち止まっていては邪魔になるだろうと流れにそって歩き始める。


 特に行き先などは決まっていない。このまま適当に歩いて面白そうなところがあったら入ってみようと姫崎は思った。その中にはばったり出会ったりしないかななんて変な期待も入っている気がしていた。


 ふらふらと歩いてどこかに入ろうと思ってもあとの楽しみがなくなってしまうのではないかと思い姫崎はあまり入ることはできなかった。


 時間を見ると12時5分。今は休憩室にと普段はそこまで使われていない教室いる。自分を抜くとこの教室にはあと5人ほど人がいる。

 ただ休憩しているのか、誰かを待っているのか、それはわからない。


 姫崎は充分休んだし、いても退屈なので教室を出た。


 また適当に歩いて回る。


 休む前からずっと思っていたがやっぱり段々と人が増えている。時間帯を考慮すると今は最高かそれの一歩手前ぐらいだろう。


 姫崎は近くにあった被服室へと足を踏み入れた。


 中にはボードにいくつかの料理の作り方や裁縫での鞄の作り方などが展示してある。黒板にはデカデカと調理室でクッキーなどを販売していると書いてあった。


 姫崎は裁縫はあまりしないが料理はするので一通り料理に関する展示物を読んだ。


 数自体は多くないが内容は簡単に作れるものが多く面白かった。


 被服室を出てなんとなく外へと向かう。


 時刻は12時25分。特に何もしていないのにお腹が空いてきた。外には料理を出している屋台もあるので美味しそうなものがないかと見にいくのが主な目的だった。


 当然ながら外にもたくさんの人がいる。門がある方からは多くの人が同じような方向を向かっていた。


 何かないかと外を見てまわる。


 外は屋台だけでなく、各クラスや部活が宣伝なんかをしていた。


 屋台が立ち並ぶところを歩いていると人混みの隙間から奥にあるものが見えた。


 ベンチにあの人が座っている。

 話しかけようかと少し近づきながらもう一度よく見てみると隣には女の子が座っていた。2人仲良く並んで何かを食べている。


 姫崎は足が止まった。止めようと思ったのではなく自然に止まってしまった。


 女の子の方には見覚えがある。おそらくあれは浅羽だと姫崎は思った。


 なぜあの2人は一緒にいるのだろう。姫崎の頭はその答えを強く求め始めた。


 話しかけて確かめればいい。その方法を取ることだってできたはずだが姫崎の足がそれを断った。あの2人が仲良く食べているところを見ると胸が少し苦しくなる。


 浅羽は実は夏休みに海に出かけた時「道原さんとはどういう関係なんですか?」と聞いてきた。姫崎は友達だと答えた。

 自分があの人をどう思っているのかはわからない。それは今でも。しかし浅羽はあの人のことをどう思っているのだろう。なぜあんなことを聞いてきたのだろう。

 頭は考えないようにしているのにずっと同じように問いかけてくる。


 姫崎は振り返って校舎の中へと向かった。


 何かを食べて意識を逸らそうそう思った。しかし外で食べるとできないような気がした。

 校舎の中にも食べ物を売っているところはある。今はとりあえず中に戻ろうという気持ちが強かった。

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