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”小説”震災のピアニスト  作者: shiori


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第11章「二人きりの海へいこう」1

 カデンツァラッド学生ピアノコンクール(関係者の間ではカラッドコンクールのよく略される)


 出場条件に学生であり成人未満と書かれているが実際のところ18歳までの高校生を対象にしていて、高校生未満の実力で入賞する人は少ない。

 本選は東京開催だが、予選は地方でも行われていてエントリー数は500人を超える年もある。


 その他、外国籍でも出場可能であったり、本選で最優秀賞を取れば副賞として有名なオーケストラとセッションを出来るなどの特典もあるため、本選まで残ること自体が困難な壁と言われている。


 実力関係なく出場できることから、本選が有名なオーケストラで活躍するピアニストばかりという事態も過去にあったため、審査は柔軟に行われているが、実力によって出場禁止になるケースがあったわけではなく、学生で18歳までという条件を満たして入れば概ね誰でも出場は可能になっている。


 予選は書類審査の後、第一次予選と第二次予選に分かられ、それぞれ課題曲が設定され、その中から選択して演奏することになっている。

 課題曲は有名なクラシックから選ぶことになるが、難易度の高い曲目も多く、中にはその時点でスルーしてしまう人もいるほどだ。


 厳しい予選を勝ち抜くと東京で行われる本選に進むことができ、学生オーケストラとセッションする形で最終審査の結果が決めることになっている。


 本選は一発勝負の自由プログラムで時間は25分~35分以内と決められており、その時のテンポの違いや、入退場の時間、想定外の事故で遅れることなどを考慮して、ほとんどの参加者が30分以内のプログラムで組んでいる。


 曲はクラシックに限らず近年になって生まれた作品でも構わないとされているが、オリジナルは不可で原曲などの参考音源も審査員に提出することが求められ、オーケストラと合わせるための練習時間も限られるため、奇抜な選曲がされることはほとんどない。


 最低限な説明をするとこの辺りであるが、開催は二年から四年に一度しかないので、この機会を逃すまいと参加者の熱量は高く、本選ともなるとテレビやラジオの中継もあるため、クラシック界では注目のピアノコンクールとなっていっている。


 ちなみにコンテスタント達による本選演奏後の審査時間中には、副賞にもされているオーケストラの生演奏があり、実力のある有名な演奏者がそこには揃っていることから、本選を見にやって来る観客にとってはそれも楽しみの一つとなっている。

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