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【続編連載中】Wolfhound(ウルフハウンド) ー神話に殺された狼のやりなおし  作者: 灰皮 (Haigawa Lobo)
第6章 ー古き神々への拘束編
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301. 冬至祭

301. Yuletide


Dragă Fenrisulfr,


Pentru a sărbători prietenia noastră îndelungată și pentru a petrece timp special cu prietenii și familia, aș dori să organizăm și în acest an Festivalul Solstițiului de Iarnă.

Îți scriu pentru a te invita cordial să ni te alături ca unul dintre prietenii noștri speciali.

Festivalul va avea loc în vechea arenă centrală, ca de obicei. Este locul perfect pentru a petrece o seară memorabilă de distracție, râs și dragoste împreună, așa cum am făcut-o din cele mai vechi timpuri.


Detalii despre sărbătoare,

- Data: 2 săptămâni de azi încolo

- Ora : În jurul orei la care apune soarele de vară

- Locul de desfășurare : Vechea arenă centrală

- Cod vestimentar: Nu este nevoie să vă îmbrăcați: Îmbrăcați-vă ca un erou.


Ne-ar face plăcere să ne anunțați despre disponibilitatea dumneavoastră. Vom face aranjamentele necesare pentru a ne asigura că toată lumea se va simți minunat în timpul Festivalului Solstițiului de Iarnă. Vrem să ne asigurăm că se vor distra fără a fi separați de celelalte zeități.


Festivalul va include, bineînțeles, tradiționalul concurs de forță. Sper să ni se alăture.

Oferim recompense speciale pentru curajul vizitatorilor noștri.

Toată gloria va merge cu siguranță la eroii noștri dacă își vor arăta vitejia fără regrete.


Vă promit că va fi o noapte frumoasă. Vă rog să veniți.

Prezența voastră va face ca această ocazie să fie și mai specială.


Vă mulțumesc pentru înțelegerea și răbdarea pe care o aveți cu mine. Aștept cu nerăbdare să continuăm relația noastră minunată împreună într-o lume mai bună.


Odin




――――――――――――――――――――――




親愛なるフェンリル狼殿、


私たちの長年の友情を祝い、また友人や家族との特別な時間を過ごすため、今年も冬至祭を催したいと思う。

その特別な友の一匹として、其方心からお招きするため、筆を執った次第である。

この祭りは、例年通り、旧中央闘技場にて開催されるだろう。古来より我らが共に楽しみ、笑い、愛情に満ちた思い出に残る一夜を過ごすのに最適な場所であるからだ。


祝賀会の詳細について、

- 日時:今日から2週間後

- 時間:夏の帳が降りる頃

- 会場 : 旧中央闘技場

- ドレスコード 英雄に相応しい装いを


是非とも、其方のご都合をお聞かせいただきたい。冬至祭の期間中、滞在中の皆が素晴らしい時をお過ごしいただけるよう、必要な手配をさせる。他の神々たちと分け隔てなく、楽しんで貰えるよう取り計らいたいのだ。


祭りでは、勿論、恒例の力比べも催し物として披露される。奮って参加されると良いだろう。

来訪者たちの勇猛さに応じて、特別な褒賞を提供させて貰っておる。

其方の勇猛さを、遺憾なく発揮されれば、きっとあらゆる栄光は我らが英雄のものだ。


その日は美しい夜になるであろうことを、私がお約束する。どうかご参集されよ。

其方の臨席は、この機会をより特別なものにすることだろう。


私への理解と辛抱に、誠に感謝申し上げるぞ。今後より良い世界の元で、共に素晴らしい関係を継続できることを楽しみにしている。


オーディン







――――――――――――――――――――――




「……どういうことか、説明して貰おうか。」


「……Teusよ。」



こいつは、俺に文字列が良く見えるようにと、自分の顔の前に手紙を掲げる真似をしていたが。

そんなもので、お前の蒼白な顔色が誤魔化せると思うな。


「代筆、じゃないな。」


読んでみれば、文章の端々に形容しがたい稚拙さが見て取れる。

記したものは、Odinの言葉ではなく、自分自身のそれを綴った。


それ故に、成り済ましと表現した方が、幾分か適切かも知れない。

しかし、Odinの命を受けて止む無く、そういった嘆息が滲み出ているのも事実だ。


お前の面を、拝んでやりたいぞ。


いつまでもそうしているつもりなら、こんな紙切れ、八つ裂きにしてやっても構わない。



「Teusっ!!」


「っ……」


兎に角、苛立たしくて、俺は唸り声を上げまいと牙を隠すのにも疲れた。

お前、そんな俺の顔を見るのが怖くて、そんな目隠しを垂らしていたのか?


だとしたら、初対面で諦めるべきだったよ。




季節外れな、残暑甚だしい今日この頃に、冬至祭だと?

そう激昂しそうになる辺り、俺の心はこの土地に慣れ親しみ始めていると見える。


…彼方は、我らが故郷は、真冬の盛りでは無いか。

いいなあ。などと、あらぬ心の声が只漏れる。



「楽しそうなお誘いじゃないか…?うん?」


にやにや笑い程、狼らしいものは無いだろう。

俺の声に、弾みが見られないか?

それは、お前の気の持ち様というものだ。


お前が浮かない顔をしているから、そう聞こえてしまう。


「う、うん……えっと…」


「光栄なことだ。勿論、俺も参加して良いのだよな?」


お前に許しを求めていると受け取るな。

招待されているのは俺だ。

それが、お前にとって不都合極まりないことを確かめたいのだ。




「これが、偽物(fake)で無ければの話だが。」


「……。」




「お前の旧友、俺にもう一度会いたがっているようだ。」




「…きっとあの時の、御礼がしたいのだろうよ。」





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