表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
387/728

152. 媒介者

152. The Channeler


そ、それじゃあ……


「俺は、生き返らせたい狼の名前を、間違えた、ということ?」



「あの大狼の名は……じゃない、のか…?」



「それって、あの狼が、そう言っていたのですか?」


「あ、ああ……」



……?



「そう、か…」



「あいつも、知らなかったんだ……」



記憶を呼び起こしてみると、そうだった。

彼が崇めるままに、

俺もずっと、勘違いしていたんだ。


「つまり、この奇跡は、失敗に終わってしまったということ、か……。」


だからこうして、いるのだね?

俺の覚悟は、最も根本で足を掬われて。


君の膝元で惚けて、目を醒ました。


「半分は、そうなりますね。」


「……?」




ですがテュールさん。

貴方は確かに、書いたのですよ?




「あの狼の名前。」



……?




「貴方は、二匹の狼の命を、やはり救われたのです。」







知っていたの?

あの狼の名前が……だったって…



「少なくとも、私は。」



「でもそれだけ、です。」



「叔父上が、そう名付けたから、そう呼んでいただけ。」



「ですが…もし、別の誰かが。彼のことを、また違う名で、呼んでいたとしたら?」



「……!?」



そして同じ奇跡を、

貴方ではない別の誰かが望んで、泣きついていたとしたなら?




あの狼は、引き裂かれるでしょう。







それは最早、奇跡ではなくなるのです。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ