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ドMの異世界転生(仮)

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主人公:ドM


異世界の王族の命令により行われた勇者召喚。それは、ランダムな異世界から人間を召喚するというもの。

しかし、今回その対象に選ばれたのは、なんの力もない、ちょっとドMで周囲から聖人と勘違いされてる普通の高校生だった。

非力なまま召喚され、本来あったはずの幸福な未来をねじ曲げ奪われてしまうであろう主人公に同情した神は、主人公に一つの力を与える。

その力とは、『防御力1億倍』ただこれだけ。非常に単純で、非常に強力なスキルであった。

元々の世界で、数多の暴力に晒されていた主人公に、せめて異世界では痛みを感じずに過ごせるようにと、親切心から与えた力であった。

しかし、主人公にとってそれは、余計なお世話以外の何物でもなかった。

主人公は、『他人から与えられる痛み』が好きなのだ。しかし、元々暴力を受けることを好み、鍛えられてきた防御を1億倍にされてしまったことで、龍のアギトすら逆に粉砕してしまうほどの硬さを得てしまった。

「神は死んだ! てか死ね! 畜生!」と叫ぶ主人公。しかし、危険な場所を求めさ迷った果てにたどり着いた魔王の城にて、主人公は運命の出会いを果たす。

魔王の攻撃を全身にノーガードで受けた主人公は、そこではじめて、異世界に来てから初めて、痛みというものを感じることができたのだ! しかも魔王は美しい女性であった。


「結婚してください!」


そんな唐突な主人公の求婚に戸惑う魔王。

これは当然の反応と言えるだろう。極大魔法で塵にしたはずの人間はかすり傷しか負っておらず、プルプル震えているのをみて、「あ、ヤバい。死んだかも」と思っていたらまさかの求婚である。戸惑わない方が無理という話だ。ぶっちゃけ気味が悪い。

魔王は考えた。自分の、日に数回使えば魔力か尽きるような最高火力の極大魔法を受けて、かすり傷程度でしかも笑っているような化け物相手に勝てる筈がない。対応を間違えれば殺される。でも結婚は嫌だ。


「とりあえず、君のことを知りたいので、しばらくこの城で生活してみないか?」


これが、魔王の精一杯であった。

もちろん、この提案には打算もある。この世界最強であるはずの自分の攻撃でびくともしない化け物を味方に引き込めれば、勝利は約束されたようなもの。今まで自分たち魔族を奴隷のように扱い虐げてきた人間を味方として扱うのは癪だが、その程度なら受け入れよう。全ては魔族の解放のため。


「わかった。まぁ、いきなり結婚とか言われても困るもんな。俺も少し冷静じゃなかった。スマン」


……どうやら、目の前のこの男には思いの外常識というものがあるらしい。


「ただ、一つだけ頼みがある。さっきの最後攻撃、あれを毎日俺に撃ってくれないか。できれば不意打ちとかだとありがたい」


前言撤回だ。やっぱりわけがわからない。

極大魔法を撃ってくれだと? それも毎日、不意打ちで。

理解できない。普通撃たないでくれじゃないとか? いやまあ、それもわざわざ頼むのは変だが。

どういう意図があっての言葉なのだろうか。

…………はっ! まさか敵弾吸収か!? 魔術では実現不可能と魔族でさえ断念したあの技術を、こいつは持っているとでも言うのか!?

そういえば、こいつさっき全然攻撃しようとする素振りを見せなかったな。それはつまり、こいつが敵弾吸収からのカウンターを得意とする術者だからではないか?

であれば、こいつの願いを叶えるわけにはいかない。さきの求婚も、こちらを油断させるための策か。なんと油断ならん相手なのだ。最大限の警戒をもって接しなければなーー



(何悩んでるんだろ。やっぱキモいとか思われちゃったのかな。はぁ~)


そんな魔王の斜め上の警戒など知らぬ主人公は、ただ魔王をぼーと見ていた。その無警戒な視線が、魔王を前になんて余裕だとさらに魔王の警戒を強めているとは知らずに。


そんなこんなで、攻撃をして欲しいという要望は通らなかったものの、魔王と共に生活することになった主人公。

これは、ただ痛みを感じたいだけの主人公と、そんな主人公を勘違いでめちゃくちゃ警戒して内心ビビりまくってる小心魔王の、奇妙なすれ違い共同生活の物語である。

続きません。

毎度書くのが面倒ですが、複数あるものもあるので書きます。

邪魔だと思う人は……ゴメンネ。

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