異世界侵略しに来たけど、勿体ないので中止します!
何故かブクマしてる方がいて草
我が名はメネス。魔王だ。
我はこれまで、14の世界を巡り、その全てを我が領界としてきた。
そして今日、15番目の領界への扉を開く――――
――――我の名はネメス。
我には、異世界を侵略するうえで、絶対に行っているポリシーのようなものがある。
それは、『侵略前にその世界へ行き、その世界を知る』ことだ。
これだけは、何があっても絶対に欠かさないようにしている。
異世界を領地としても、我はそこに圧政を敷き、その世界の住人を虐げるようなことはしない。
ただ、我が治め、我が同胞たちと共存できる世界になるよう、少し作り変えるだけだ。
そして今、我は15番目の我が領界となる世界の国の一つ、『ニッポン』なる所へと降り立った。
この世界は、どうやら他の世界とは、随分異なる発展を遂げているようだ。
見たこともないような四角く大きな建造物に、地を駆ける鉄の箱。
街のいたるところに光が溢れ、人が蠢いている。
まるで違う世界。未知にあふれた世界。
正直――――興奮した。
年甲斐もなくテンションが上がってしまった。
これほどの未知……一体我が把握しきるのに、どれだけの時を要するかわからぬ。
もうここに来て三日になるが、まだまわわからぬことばかりだ。
しかし、今はそれが楽くで仕方がない。
言葉や最低限のルールのようなものは把握できたと思うが、魔力のないこの世界では、我の常識があまりに通用しない。
ああ……一体この世界は、我にどれほどの色を見せてくれるのだろうか――――
続かない




