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最近のなろう作家の質向上も低下もしてない件

作者: あずきなこ

 俺が目を開けると、キューブ状の正六面体の空間に居た。

 そこには1人の人物が居た。そして、頭上にはHP100と書かれた謎の物体があった。


「ふはははは! なろう作家よ! 貴様はここ数年、パクる事しか能がない! 随分と質が低下したなあ? 無様!」


 くっ、くそぉ! 出たな! こいつは魔王ナロウ・パクリ・ダケジャン! こいつは厄介な事に色々な展開を「パクリだ」と言いまくりなろう作家を苦しめ、ついにはその概念が魔王となった存在!

 妖怪ブクマ剥がし、妖怪唐突の退会に並ぶ厄介な存在だ!


 この、魔王ナロウ・パクリ・ダケジャンの言葉で俺の頭上にあるHPは80まで減少した。

 なっ、なるほど。この迷宮はそういうルールなのか。


「うるせぇ! 70万にも超える作品で、展開が被るのは当然だろう!」

「ぐっ、ぐふぅ!」


 俺がそう言うと魔王のHPが80まで減少する。


 しかし、流石はネットイキリ達が概念となった魔王、口だけは達者ですぐに反論してくる。


「ふん! 前哨戦は終わりだ! 畳み掛けてやるわ!」


「かかってこい!」


「最近流行りのジャンルなのは分かるが、オリジナリティも頑張って考えろよ!」


「は? 何言ってるんだ? 流行るって事はそれを読者が求めてるって事だ! だから、流行りの作品が伸びるんだよ! なろう作家はな、作品が伸びて欲しいから流行りのジャンルの中でオリジナリティを出そうとしてるんだよ!」


 ふん! 何を言い出すと思ったらとんちんかんな事を。


 需要があるジャンルに供給をして何が悪いんだ。


 そんなの、「今すぐ現金が欲しいです!」と言ってる人に現金だけだと面白くないから、「和牛券あげれば?」とか、「お寿司券の方が喜ぶでしょ!」と言ってるのと同じでは無いか。


「チッ! じゃあこれはどうだ!」


「ふん。なんでも言え。お前ごときたかが知れてる」


「パクリと自分でも理解してるからか、ツッコまれるの怖いのか知らんが、パクリ作品書いてる奴に限って感想受付してねぇーじゃねえか!」


「......うーむ。それは俺自身が見た事無いからなんとも言えないな。でもよ、こう考える事も出来ないか?」


「なんだよ? 負け惜しみかぁ?」


「いや、感想受付しない作家って結構限られてるんだよ。感想貰えるって、作家にとっては死ぬ程嬉しい事だからな。例えばお前みたいなアホが内容の無いアンチコメを書いて、嫌になって閉ざしたパターンか、人気になって感想返信が出来ないから閉ざしたパターン」


「だからなんだってんだよ!」


「いや、だからパクリだから感想受付してないって言うのは自分勝手な推理じゃないかと思ってさ」


 この弁論をして、俺のHPは50に、魔王は60になっていた。ジリ貧だけど、まあ知らない事を言われてもなぁって言う。

 それを言うなら証拠を見せて欲しいよな。いや、証拠って言って作品名書かれても困るけどね。


 すると、突然その場にもう1人の人物が現れた。

 まるで、元からそこに居たかのように自然に現れたその人物は俺たちと同じように頭上には100HPがあった。


 そして、魔王とは対照的な明るい声でこう声掛けてきた。


「ははははは! なぁ、最近のなろう作家の質めっちゃ上がってない?」


 ......ん? 誰やコイツ。


「ふん! 貴様、何を言ってる! どう考えても低下してるだろ!」


「えー? そうかなぁ? だってさ! 君、昔のなろうの文章レベル知ってる? あの時は凄かったなぁーだってさ、最初の方はかなり酷い文章なのに、話が進むにつれてどんどん作家さんが実力を付けてきて面白くなるんだよ! 凄いよねぇー!」


 魔王の厨二臭い声とは対象にコイツは底抜けの元気さを感じる。


「ああ! うるさい! うるさい! うるさい! だからってパクリがまかり通って良い訳じゃねぇだろ! 低下してんだよ、低下!」


「君、粘るねぇ〜じゃあ例を挙げるけどさ。〝昔〟ほとんどの人が三人称ですら文章を書けなかったんだよ? 三人称が書けないから『〜side』とかして視点を変えて、酷いときは数行に一回side表記が登場し、そんなレベルの作品がランキング上位に名を連ねてたんだよー?」


 ......はぁ。なんか疲れてきた。もう、果てしなく論点のズレを感じる。


 片方は「パクリばっかで、低下してる!」って言ってる。


 もう片方は「いやいや、もっと昔は酷かったで?」って言ってる。


 これさぁ......第三者になって目が覚めたけどさ、どっちでも無くね?


「はぁ......お前ら。つまりさ、魔王、お前は『パクリばっかでつまらねぇ!』って言ってていきなり現れたお前は『いやいや、低下なんてしてないよ。むしろ文章力あがってるよ?』っていいたいんだよな?」


「ああ! そうだよ! いきなりなんだてめぇ、文句あっか!?」


「うん。そうだよ」


「あのさぁ......つまり向上も低下もしてないんじゃないの?」


 もう、これでいいじゃん。そもそも、論点がおかしいんだよ。

 てか、「最近のなろう作家の質の低下が半端ない件」じゃ無くてさコイツが言いたいのは「なろう作家パクリしかしない件」って言いたかったんじゃないの?


 てか、それ言ってる張本人もタイトルがパクリだし。


「文章力は向上してるのかもしれないけど、ストーリー力はまだまだ低いままってことでしょ?」


「チッ、確かにそうだな」


「ふふふ、言われてみればそうだね!」


「つまりさ......」


「「つまり......?」」


「最近のなろう作家の質向上も低下もしてない件!!!」



底抜けに元気な人モデル

https://ncode.syosetu.com/n6455gc/

魔王のモデル

https://ncode.syosetu.com/n9190gb/


はい。どうでもいい件の方は物語を読みに来てると仰っていたのでどう言う訳か戦ってますね。


あ、こんなお遊びをしましたが「最弱の神の暇潰し〜暇だから冒険者でも国王でもなんでもやります〜」というハイファンタジーを書いてるのでそっちもよかったら来てください〜


強いて言うなら転スラのパクリ作品です!(((

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素でウケたꉂꉂ˖笑˖(ˊᗜˋ*) アタシは駆け出しだし、゛昔゛を知らないけど 「あ〜、アタシはまだまだ駆け出しなんだんな」って解らせて貰えただよ♪ [一言] コレは面白いわw 誰のHP…
[一言] 変化球すぎて爆笑しました。 ランキングに上がる事を祈ってポイント投げておきますね。
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