13. 新メンバーは、男の娘
「俺と和希は、クエストの途中だからそろそろ行くけど……トレイン君は街に戻るのか?」
さっきまで全力ダッシュをしていたトレイン君も、さすがにもう落ち着いたみたいだ。
いつまでもこんなフィールドのど真ん中で油を売ってても、しょうがないしな。
お、射る射る。
《スキルレベルがアップしました》
到着までどれくらい時間が掛かるのか分からないし、早いとこ移動しないと。
「あ、いえ、出来れば先輩達にちょっと教えて欲しいなー、なんて甘い事考えてるんですけど、ダメですよね?」
「先輩達って……何なら俺の方が後輩だと思うけど? さっき街の外に出たばっかりだ……しッ!」
「まったまたー。あんなにいたモンスター、一人で全部倒してくれたじゃないですか! 今だって……ほら!」
《スキルレベルがアップしました》
意外とこの辺りはプレイヤーが少ないのか、敵がそこそこの頻度で出てくるな。
「いや、零のアレは……レベルとかプレイ時間とかっていう次元じゃなくて、素だよ、素」
「え?」
「こいつ、実家が弓道場だからな。リアルからして地力が違うんだよ。一般人からしたら、普通にバケモノだろうな」
──っと。
まさか和希から化け物扱いされるとは。
俺はちょっと普通の人より弓が上手で、刀が使えて、馬に乗れるだけだ。
失礼しちゃうだろ。
「そうか? 俺は別に普通だぞ?」
「零、お前……ゲーム初めて何時間だ?」
「うーん……どれくらいだろ? 三時間くらい?」
だったと思う。
一体どれくらいの強さになったんだ?
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名前:レイ (♂)
年齢:18歳
種族:人族
ランク:気象予報士 Lv.13
ジョブ:弓術士 Lv. 21
スキル:『弓術Lv .4』『刀術Lv. 1』『鷹の目Lv. 4』
『夜目Lv. 1』『超嗅覚Lv. 3』『集中Lv. 3』
『練気法Lv. 3』『致命の一撃Lv. 4』
『速射Lv. 3』『隠密Lv. 2』『暗殺術Lv.3』
『気配察知Lv.2』『気配遮断Lv. 1』
『強運Lv. 1』『超聴覚Lv. 1』
固有スキル:『天候操作』(気)
『気流操作』(気)
『クリティカル率アップ』(弓)
『カモフラージュ』(弓)
『射程距離アップ』(弓)
武技:ピアッシングショット(弓)
スニークアタック(弓)
ヘヴィショット(弓)
称号:【彼方よりの解放者】
【猛者】
【豪傑】
【巨敵喰らい】
【天空への挑戦者】
【黒竜を打倒せし者】
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順調に上がってるな。
っていうか、なんだか物騒なスキル欄になってきた気がする。
あ、そういえば昼飯食ってないわ。
完全に忘れてた……
この恨みは──、お前にぶつける。
「ジョブレベルは?」
「二十一」
「──え? な! はぁ!?」
なにこのトレイン君、かわいい。
コロコロ表情が変わる、変わる。
「分かったろ? こういうヤツなんだよ。」
「どういうヤツだよ」
「レイさん、付いて行きます。いえ、行かせてください! お願いします!」
トレイン君がすがり付くようにして、俺の左脚はがっちりとホールドされた。
狙いが、っていうか、危ないッ!
いや、ヤメロ。
太ももに顔をスリスリするな。
どんなにかわいい顔でも、俺にそっちの趣味は無い!
「分かった、分かったから、離して、待て……待て!」
「はい!」
「──零、連れていくのか?」
和希が何とも複雑な顔をして、こっちの様子をうかがっている。
いや、別に置いてってもいいんだけど……
どうせ、こっそり付いてきそうだからな。
トレイン君だし。
「だって、しょうがないだろ……」
「やったー!」
「お、おい、くっつくなって!」
テンションが上がったトレイン君が、俺に抱き付いてきた。
男の癖に、ちょっといい匂いがするし。
面倒臭いな、コイツ……
「────」
しかも若干、和希からの視線が痛い……
何とかトレイン君を引きはがして、ステイさせる。
「よろしくお願いします! トレイル・エクス、ジョブは【斥候】、レベルは六です!」
なるほど、車の名前か。
何か色々と惜しいな、トレイン君。
それにしても【斥候】ね……多分、いらないかな?
「よろしくな。俺はレイ、見ての通り【弓術士】だ」
「俺は麞。くれぐれもキャラネームの方で呼んでくれ。【僧侶】で、レベルは十一」
「カミラはカミラなのー!」
なんだかんだ、賑やかになってきたな──
(。>`з<。)σ@ ゥラヤマスィー




