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シエルは何だかんだ照れ臭くなってきて、ジャックから視線を外して街路樹の青々と繁る葉に目をやった。
誰かの支えてになれた事が、こんなに嬉しいとは……。
「ジャックさんの買い物終わったら、私の買い物にも付き合って貰っていいですか?魔術に必要な道具を補充したくて」
「ああ、勿論」
ジャックは魔術に対して寛容だ。
この国ではまだまだ魔術に対して偏見があるので、話を持ちかける相手は選ぶ必要があるのだ。
「シエルは日常的に魔術を使っているのか?」
「そうですね。昨日みたいに単独で行動する事はあんまりないですけど、おばあちゃんやヨウムと一緒に魔獣討伐をしたり、結界の維持をしたり、昔の魔法陣に改良を加えて実用化してみたりしてます。昨日使った水晶玉みたいな」
「ああ、あれ便利そうだったな」
「便利ですよ!」
気兼ねなく魔術の話が出来る事に、シエルは顔が緩んだ。