表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

115/183

10-16

 2人の会話が終わるのを待つわけもなく、ジャックに対して斧が振り下ろされる。

 それを危なっかしく避ける。

 地面にめり込んだ斧をタローンは易々と抜き取り、ブンッと空気を切り裂く思い音とともに、斜めに振られるので、身を低くする事で躱す。


(奴の足元に潜りこめないか……?)


 ジャックはタローンと斧の動きのパターンを観察する。


 再びとんでもないスピードで振られた斧を転がるように避け、そのまま足元にダッシュした。


「食らえ!」


 ありったけの力を込めてタローンの足にエクスカリバーを刺す。


――グゥゥ……!


 

 足を貫通させ、地面に縫い留める事は叶わなかったが、タローンの堅い金属で出来た足には凹みが出来ている。


 タローンが足を振り上げるので、ジャックは股を潜って後ろ側に回り、膝裏に刀身を叩きつけた。



――小賢しい真似を!


 タローンの身体はガクリと揺らいだ。


(このまま奴の身体を地面に引き倒せないか!?)


 思いのほか上手くいったため、もう一度同じところに打とうとするが、後方にブン回された斧を慌てて避けるのに、体制を崩した。


「ジャック! 避けろ!」


 ハーディングの怒鳴り声を聞き、咄嗟に横に転がると、今までいた所に斧の刃が縦に突き刺さった。



 すぐに起き上がろうとしたジャックの身体は、容赦なくタローンに蹴り飛ばされる。


「ぐあぁ……!」


 足や胸に激痛が走る。


(半端なく痛てぇ……。これ、骨が折れたんじゃ?)


 あまりの痛みに逃げる事も出来ず、タローンに胴を掴まれ、そのまま巨人の顔の位置まで持ち上げられる。


「ジャック!!」


――エクスカリバーは王に返してもらう。石ころはどうした?


「……だから、石ころって何なんだよ……、ゲホッ」


 呼吸もままならない状態の中、ジャックはタローンに問いかけた。


――鞘の石だ。青く光る……返せ。


 『光る石』


 その言葉にハッとした。


「シエル……」


(コイツが言っているのは、シエルにあげた石の事か!)


 思わず名前を呟いてしまった事に後悔する。

 知られたら、ターゲットがそちらに向く可能性がある事に思い至ったのだ。


――シエル……その人物が持つのか。お前を殺し、その人物も殺す……。


「出来るわけない! この時代にいないんだからな!」


 ジャックは口から血を流しながら、タローンを睨んだ。


――貴様、未来から転移してきたな……、なるほど、我はその時代に再び目覚めよう……



 時代が違う事から、タローンの脅威はシエルには及ばないと考えるのが普通だ。

 だが、1400年経ってもターゲットであり続けたらどうだろうか? 




(あの子を危険に晒すわけにはいかない……)



「お前はここで倒す!」


 エクスカリバーは強く青い光を発した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ