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The memory with her

こんばんわ!


 ついに続編となる「Over the memory~時を巡る~」を書き始めました!


 あらすじは前回と比較的同じですが今回は新キャラと、どんどん展開して参ります。。。


 プロローグをお読みになってから来た方々も、ここから本編なので宜しくお願いします!



 今日も世界は俺を中心に回り出す。



 そんな前回の話で何度も呟いたようなこの言葉をまた口に出してしまっている俺。


 なんてナルシスト、いやエゴイストなのだろうかと自問自答する日々。


 今日もまた変わらぬ日を送ろうとしていた。



「この問2の解き方が分かんないんだよ~」



 その艶やかな長い黒髪をなびかせながら、数学という難問に悲鳴を上げる。



 ここは高校生だけで入店をするのは稀のような店構えの喫茶店。それだけ渋く、ミステリアスさを醸し出しているのだ。



「あーー?今度は何だよ」



 といいながら、対面式テーブルの前に座る女性にワンツーマンで教え始める。



「ここは微分使うんだよ、ってか、教科書に書いてあるだろーよ」


「教科書?何それ、初耳だなーー」



 視線を右斜め上に集め、とぼけたふりをする同学年、同クラスのこの女性は俺の彼女でもある佐藤瀬名である。


 彼女とは違う世界で出会った(といっても一方的なもののようだが……)のだが、腐れ縁というやつか今や俺の彼女である。



「お前さーー、授業を寝ている俺が理解してて何で真面目に受けているはずの人が出来てないんだよ?」


「んーー、それはね学校の教え方のせいじゃないかな」


「人のせいにするなーー」



 彼女の頭をコツンとつつく。



「いてっ」



 こう見ると彼女の小動物らしい行動がやけに目立つ。



「でぃーぶいーー」



 まるでリスが餌を口一杯に頬張った時のような顔。



「はは……」


「なんで笑ってるのよーー」



 俺の考えている思惑には知るよしもない彼女にまた笑いをそそられてしまう。




「そういえば、もう桜の季節なんだね」


「そうだな」



 この時期は入れ替わりが激しい時期。新しい時を向かえ、古い時は去っていく季節。


 今や四月の中場に入っていた。



「ねえねえ、桜の花言葉ってなんだか知ってる?」


「悪いな。俺は博学には長けていないもんで分からん」


「じゃあ。教えて上げよう」



 胸を反らして威勢よく座り直す。さっきまでとえらい違いだ。



「それはねーー、優美!美しい人って意味!」


「ほおー。で、それがどうした?」



 彼女の言わんとすることはもう目に見えていたので、むしろからかってやる方が良い決断だ。



「分かんないの?じゃあしかたないなあー、教えて上げるよ」



 念を押すように一度しか言わないからねと小声で言い、



「それってつまり私ってことじゃないーー」



 予想通りの答えで何も言えない俺。これが言葉に出来ないというのだろうか。


 しかし、ただ黙って話を聞くのもつまらなくなってきた。



「なんか言いなさいよー」



 彼女も俺の返答を急かしてくるので、からかってやることにした。



「いーや、お前はスイセンだな」



 頭上にハテナマークを掲げて、顔を傾ける彼女。



「そんな花あるの?」



 初耳だということが聞かなくても分かるような表情。


 むしろここまで表情が多彩だと、評価に値するレベル。



 だから、答えを告げてさらに色を付け加えてやる。



「調べてみなよ」



 おもむろにコートのポケットから携帯を取りだし検索にかける。



「えーと、スイセン。花言葉っと」



 下から上へとスクロールしながら、サイトを探し、



「あっ、あったあった!」



 やっと見つけたらしい答えが載るサイトを開く。



「んーっと、なになに」



 携帯の液晶をのぞきこみ、まじまじと見つめる。


 だが、突如彼女の肩がわなわなと震え始め、



「ちょっとこれどういうことよ!」



 たどり着いた答えの文字を俺に見せつけた。



「どういうこともなにも。そういうことだろ?」


「はあーーーー?」



 あまりにも納得しないような表情。



 液晶に写し出された文字はこう書かれていた。




――自己愛――



と。

     




 読んでくださりありがとうございます!


 初めの方ではまだ新キャラは出てきませんが、ちょっとずつ出していきたいと思っていますのでお待ちください。。。


 これからも応援よろしくお願い致します。


では。。

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