23:00
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はじめて投稿させて頂きます。
コメントなどを下さると泣いて喜びます。
宜しくお願い致します。
とあるアパートの一室。
必要最低限の家具しか置かれていない殺風景な部屋。テレビは床に置かれている。
部屋の隅にはゴミの山、蛍光灯はチカチカと切れかかっている。
部屋にかけられた小さな時計は22時58分を指す。
「………水飲みたい…。」
少女はむくりとその小柄な身体を起こし、冷蔵庫へ手を伸ばすが、中には消費期限がとっくに切れているであろうバターと、なぜ冷蔵庫に入れてるか分からないコショウしかなかった。
「…………。」
仕事は十ヶ月ほど前にやめた。
高校、大学とエスカレーター式で進んだ介護学校を卒業した。
そのまま介護士に就職したが、同僚からのイジメ。
上司のパワハラ。
さらには被介護者からのセクハラ。
半年しか続かなかった。
中学二年生から目指した介護士の理想と現実は、かけ離れていた。
水道代は支払えていない。二ヶ月に一回の支払いを二回滞納してしまった。恐らく近日中には水道を止められる。
貯金はとっくに底をついた。今は定期的に身体を売り、なんとか作り出したお金で支払い食い凌いでる。
何回言ったのかも分からない。デコボコに傷ついた腕をさすりながら、少女は今日もいつものセリフを言う。
「…死にたい。」
「お、マジ?じゃあその命くれよ」
「!!!?!、?!!?!、!?」
ビクッと身体を仰け反らせ、後ろを振り返る。
そこには身長2m近い身体をもつ、真っ黒なローブを羽織った「何か」がそこには立っていった。
耳のついたフードをかぶっており、顔は全く見えない。
まるで空間をそこだけ切り取ったかのような闇が広がっていた。
「ひっ…」
声を上げようとすると、その「何か」はスッとその長い腕を伸ばし、少女の口を抑える。その手は白骨した白い手だった。
少女はさらにムゴムゴと口を動かし、必死に逃げようとする。
「声あげんなよ。近所迷惑になっちまうだろ?落ち着けって。」
落ち着けるはずがない。コレは何?何処から来た?というか、明らかに人間ではない。様々な思考が駆け抜け、少女はパニックになる。
その「何か」は少女に向け声をかける。
「あー、まぁビックリするのはわかるけど、とりあえず落ち着け。うん。まずは、俺の自己紹介をしないとな。」
片手で少女の口を抑えながら、「何か」は言った。
「俺は死神。キミの命を買い付けにきた。」
時刻は23:00を指す。
今日オムライス食べてきました。
次はたこ焼きが食べたいです。