そのご
母さんは鈴森家の三姉妹の長女で…
(上から、奈由実、夏海、優里)
つまり、俺には叔母さんが二人いる。
「ねぇ、お姉ー
これなんか良くない?」
「良いわね、じゃあこっちはどう?」
かれこれ一時間ほど…
きせかえ人形状態である。
ちなみに今は、母さんと夏海(次女)がいて、服はゆり姉のものである…。
「あのさ…もういい?」
「え~まだダメ、ケイ
…圭織カワイイもん
ねぇお姉?」
「うん、そろそろ…あれ着せちゃおっか」
「そうだね~じゃあ持ってくるね」
「ねぇ母さん
…なつ姉何を持ってくるんだ?」
「ひみつ。きっと似合うと思うわよ」
カワイイって言われるのは悪い気はしないし…
鏡の前で変わって行く自分の姿って
「案外楽しいかも…な」
「お待たせ~持ってきたよ」
……コレって…
「ムリだってば‼」
全力で拒否する。
「やっぱり?
でもすごく似合うと思うんだけどなぁ~」
「圭織、そう言わないで…
お姉、押さえてて!」
…俺は、無理矢理セーラー服を着せられた。
(スカートやべぇ…スースーする、
しかも頼りない感じが…。)
バタンッ
「お姉ちゃん、ケイ大丈夫なのっ?」
勢いよく部屋に入ってきたゆり姉と目が合う、
そしてしばらくジーっと見てから…
「私の制服…
お姉ちゃん、この子だれ?」
「優里、分からないの?圭一よ。
…あ、今は圭織だったわね」
「…ウソでしょ…ホントにケイなの?
…可愛い!」
なでなで
スリスリ
「ちょっ、…ゆり姉?」
「あ~癒される、妹みたい!」
「優里、飛びついたわね…」
「あの子、可愛い娘大好きだから…」
見てるこっちも癒されるわ。
…ゆり姉とのスキンシップは、母さんが止めにはいるまで続いた。
「…優里、
あんたもうすぐお母さんになるんでしょ?…まったく」
ゆり姉はなつ姉にお説教されている。
「圭織、今日はここに泊まる事になるけど…
荷物取りに行くの?」
「うん、ちょっと行ってくるわ」
そう言って家に荷物を取りに向かった。