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そのさん
病院の帰り道…車の窓から外を見る。
その風景は病院に行くときと違うように見えて…
(ホントは何も変わってない…
変わったのは俺だけ。)
「これからどうしよう…」
『女の子として生きていくには戸籍上の性別を換えたり、身体に馴れないとだし…。
男の子に戻るには…
施術はイヤだからね…
(痛いのイヤだからさ…)
どうしようも無いかもだし…。』
そんなことを考えていたらいつの間にか眠ってしまった…
「おい…着いたぞ。」
「…ん?家か…」
(なんか、この身体になってからよく寝れるな)
「あ、圭織が診察してる間に奈由実に電話しといたからな。
…スグに向かうって言ってた」
「母さんに…
でも遠いから夕方くらいか…」
そのとき俺の携帯にラインが…
『今、駅着いた。迎えに来て~』
(…早っ、まだ2時間ぐらしいか経ってねーぞ)
「…母さん迎えに行ってくるわ」
「早いな…。
あ、免許の性別違うから気をつけて行けよー」
少し歩いた駐車場にポツリと一台…
思わず眺めてしまう…
(やっぱいいよな俺のマーボー
…豆腐じゃないよ?)
小さくてイカした愛車に乗り込み母さんを迎えに行く…。