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そのに

『おい、大丈夫か?

圭一けいいち

起きろ…』


「ん…親父?

…けっこう来るの早かったんだな?」


「なに言ってんだよ、こんな大事なときに。

体の方は大丈夫なのか?」


「大丈夫…見てみる?」

そう言って布団をめくる。


「ちょっ、お前なぁ…

服ぐらい着ろよ。


…ホントに女の子になってるな…」


「ああ、さっきまで色々と確認してたんだけど寝ちまってな。


…たぶんTS病だと思う」


「TS病?

なんだそりゃ?」


俺は、パソコンの画面を見せる…

まぁ、こんなことが難しく書いてある。


『TS病…100万人に一人がかかると言う性転換病である。』


「まぁ…2、3日で治るみたいだし。

そうだ、写真撮ってよ」


「写真…なんで?」


「いやぁ…

女の子ってあんまりなれるもんじゃないし、

…記念かな?」


「記念か…分かった。

撮ってやるから服着ろよ。

…とりあえずこれ着とけ、じゃ隣の部屋に居るから」


そう言って親父は部屋を出ていった。


さてと、着替えるか…

用意してあったのは、ジーパンに黒いTシャツに

灰色のパーカー

「…わざわざ新品買ってきてくれたんだ。

…なんか嬉しい」



よしっ…


鏡の前で自分の姿を見てみる。

「けっこう可愛いじゃん…なんかダブダブなのがいい感じで…

俺、けっこう好みだな」


しばらく鏡に見とれてから、親父を呼びにいく。


「お前ホントにクマ好きだなぁ。」


「うん、女の子だとぬいぐるみ抱いてても違和感無いじゃん?」


「まぁそうだな…

じゃあ、撮るぞー」


カシャッ


「どう?上手く撮れた?」


「うーん、

まぁな…ホラ」


(美少女と部屋の見事なアンバランス…帰ったら掃除しよっと)


「そう言えば親父、

俺、今は女の子だからさ…名前で呼ばない?」


「名前で?…まぁ、女の子に圭一って変だよな」


「じゃあ圭織

(かおり)で」


「いいけど…

えっと…圭織さ、

女の子妙に気に入ってない?」


「そりゃ…、

女の子で過ごせるのはちょっとの間だけだし…

思いっきり楽しまないとなって思ってさ。

(よっしゃ、いざ女湯へ!)」


「…圭織、銭湯は行かないぞ…

行くのは病院だ」


バレてたっ!



とりあえず病院へ行き、

血液やMRI等で検査をした後に、結果を待合室で待つ。


(長いなぁ…もう一時間近く経つよ)


『前山さん~5番の診察室へお入りください』

診察室へ入る。



「検査の結果なんですが、

結論から申し上げますと…

圭織さんはもう二度と

圭一さんには戻ることが出来ません。」


(なに言ってんだよ…

そんなの…ウソだ)


「そんな…俺…

ウソだろ?戻れないって…。

 

「なんてこった…。

先生、なにか方法は…」


「圭織さんには2つの選択肢があります。


1つめは、このまま女として過ごすか。


2つめは、手術で男の身体に戻る、

しかし…完全にはもとには戻りません。」


「どうゆうコト…ですか?」


「あなたは今、完全に女性です。

ちゃんと月のモノも来ますし、ちゃんと子供も産めます。

…つまり、子種が無いんです」


「…つまり、子供が作ることが出来ない…と。

じゃあ、圭織として生きていく場合…」


「えっと、圭織さん…


あなたと同じく女性になってしまった方がいました。

両親は女性として生きていくことを望み、彼女はそれに応えようとしました。

しかし、その方は数日後に亡くなりました、

自殺…だったそうです。


おそらく、性転換による精神的なものからでしょう。


…ショックな話ですがコレが現状です」


「圭織…俺からはなにも言わない

…いや、言えないんだ。


納得するまでゆっくりと答えを出して欲しい。」


「分かった…」


そう答えて病院を後にする。

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