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おきつねさまと食べ歩き  作者: 八代将門
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おきつねさまと女子会への誘い

 思い立ったら即行動。


 同級生に電話をかけると、本人は夏休み中は大学のサークル活動で実家の旅館にはいないらしい。予約をしたい旨伝えると二つ返事で請け負ってくれた。急で悪いがと8月8日の平日、人数と部屋数伝えお願いすると、すぐに折り返しの電話で大丈夫だと言ってくれた。

 その日の夕方には、同級生の母親である女将がわざわざ電話をくれた。四部屋ある離れのうち、二部屋を用意してくれたとのことだった。離れの部屋は一部屋でいい旨話して、おれはその部屋から離れた母屋の一室にしてもらう。女将に今回の宿泊の趣旨を話し、必要な物が用意できるか尋ねる。

 女将は笑い声をあげて、普段は用意しないんだけどそういうことならと快く承知してくれた。


 その日の内に、桔梗を呼び出し、祖母と母に玉藻や睦月たちと温泉に行きたいと相談を持ちかける。


「下心満載ね」


 桔梗は呆れ顔である。

 いやいや、そんな下心ないから。

 ・・・でも浴衣姿も・・・・


 俺は桔梗、祖母、母に計画を話す。

 祖母と母は賛同、桔梗はなにか珍獣でも見るかのように俺を見ている。


「将門がそんなこと思いつくなんて・・・」


 失礼な。玉藻の第一神使にして睦月の旦那である俺には・・・・。


「あ~、はいはい。んで、協力すればいいんでしょ」


 うむ、最近俺の扱いぞんざいだな。


 その晩、玉藻と睦月に温泉行きを発表する。


「なに、温泉じゃと。おお、われは有馬の湯以来じゃ」


 玉藻が目を輝かせる。こりゃ意外、食べ物以外にも食いつくとは。

 それにしても有馬温泉、当時からあったんだ。


「われは好きじゃぞ。あの肌がつやつやとなる感覚が堪らん。」


 美肌目的かよ。

 あっ、と思い当たる。とすればあれもありか。いや、これは心を読まれないようブロック!

 平常心、平常心。


「私は、その、だん、いや、八代様とでしたら、どこへでも」


  おおう、呼び方相変わらず硬いな。

 でも今回、部屋は別な。

 睦月は残念そうな顔をする。まあ、俺も残念だ。


「む、どういうことじゃ」


 玉藻が怪訝そうな顔をする。いやどんだけ俺信用ないのよ。


「人間の世界ではな、結婚前に独身さよならパーティ、ああ、独り身と別れを告げるうたげを開くんだ。参加できるのは同性だけ。その、まあ、あれだ、睦月にも、楽しんでもらいたくて・・・。参加者は玉藻と桔梗だけど・・。まあ、温泉泊って、夜通し女子だけで楽しむっていうのが今回の目的・・・・」


 全部言い切る前に睦月に抱きつかれ、畳に押し倒される。

 いやそんなに尻尾振らんでも・・・、首、し、しまってるから。

 俺は畳をタップする。いや、やべ、平常心・・・って無理。


 桔梗が笑いながら、睦月を俺から引き離す。

 いや睦月泣くほど嬉しいのか。

 

 翌日、祖母と母と桔梗で、外出用の玉藻と睦月の普段着を買いに出かけた。俺の神力でという方法もあるが、俺のセンスには限界がある。なにせフレンチ、ゲフゲフ。

 生粋のシマムラーである祖母と母のセンスに期待だ。桔梗?推して知るべきだろう。


 女将に電話して、改めてサプライズの手配をする。かなりの出費だが、惜しくはない。逆に、サプライズの為に早めのチェックインを勧められた。もう頭が上がらない。

 俺は、玉藻に旅館に商売繁昌の加護を求めることを決意した。


 

お読み頂きありがとうございました。次回投稿は明日17日0時を予定しております。

もともと会話文の少ない話ではございますが、ためしに本話から会話文を一行あけて表示してみました。

つたない文章ではございますが、今後ともよろしくお願いいたします。

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