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社長が脅威

作者: 尚文産商堂

狂人と、人は言う。

それは、君らが普通だからと、彼は返す。

変人と、人は言う。

それは、君らが変わろうとしないからだと、彼は返す。


彼は手野武装警備社長、そして現武装警備員総隊長。

ペンギン野郎、変人、狂人、露天商などと多数の名を持つ。

だが、彼の本当の名前は、おそらく手野グループの長である手野真雷(てのしんらい)と、彼に推薦したという河菱組組長だけしか知らないだろう。

彼をよく知る人は、数多くいる。

それこそ敵から味方まで、おそらく戦場に身を置くものは知らない人はいないだろう。

人は敬意を込めて、彼を武装社長と呼ぶ。


「武装社長、本日の訓練内容についてでございます」

「おう」

社長室は今や倉庫となっている。

今武装社長がいるのは、武装警備による実弾演習場だ。

日本国内においては違法な設備であるが、自衛隊や武装警備が誇る手野型戦艦共々、はるか南にあるどこの領土にもなっていない土地を使っている。

一応表向きの武装社長の国籍は日本になっているらしく、国際法上はここは日本の領土だ。

だが、あまりに辺鄙な場所なので、政府も目くじら立てて怒るようなことはしない。

そもそも、下手をしたら武装社長が直々に遊びにやってきてくれるだろうから、何も言えないというのが本心だろう。

「……ふーん」

「いかがいたしましたか」

男の秘書が持ってきた訓練実施計画書には、特に不備はない。

「おい」

「はい」

「ちくわ持ってこい」

「はい、ただいま」

秘書はすでにちくわを渡していた。

「本日はチーズ入りのちくわとなっております」

「用意がいいな」

さらにピラミッドのように盛られたそれを、武装社長が一つつまみ上げ、ブチリと歯でちぎって食べる。

「訓練はこの通りでいい。俺対全員。これでいこう」

「今回の訓練は、敵前上陸の阻止が主目的です。以前のようにせん滅を行いませんように」

「あれはさすがに血が高ぶっただけだ」

楽しそうにしている武装社長に対して、秘書はため息をついた。

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