これまでの主な登場人物紹介と覚え書き
◆サラ=アシュリー(22)・人間族◆ 栗毛色の髪・焦げ茶色の瞳
ごく普通の人間。持って生まれた魔力が『破魔』の性質を持っていたため、憧れだった治癒術師を諦めた。
解術師としては優秀だが、その特殊な性質のせいで呪われたものや変わったものを引き寄せてしまう苦労人。
小柄で華奢。美人と言うより可愛い。草食の小動物っぽい。
そんな見た目に反し、こうと決めたら損得抜きで最後までやり通す。
自分に不足しているものは色気だと自覚しており、色気を出すことも出されることも苦手。
過保護すぎる兄にやや呆れているも、その原因を作ったのが自分であるため、つい受け入れてしまう。
『破魔』の魔力のせいで治癒術が効きにくい。
◇人間族◇
いわゆる人間。力も魔力も身体能力も他種族より劣るが数が一番多い。
また他種族との間に子を成すことができる。(他種族同士間ではできない)
◇破魔◇
術の効果を弱める魔力の特性。
効果は全ての術に有効なため、自ら施した術や他者の掛けた術の効力も弱めてしまう。
呪われたものなどを引き寄せてしまうこともある。
破魔の魔力を持つ者は少なく、解術師以外の術師には向かない。
◆レクス(?)・魔族(?)◆ 黒色の髪・金色の瞳
呪われていた男。強力な呪いのせいで記憶と身体の一部を消失させながらも解術師を求めて彷徨っていた。名前も覚えていなかったため、サラがレクスと名付けた。
サラの魔力を分けてもらうことで一時的に呪いの進行は止まっている。
しかしサラと離れたり魔力が遮られたりすると『破魔』の効果は失われるため、現在サラの家に居候中。
見た目は魔族。美形でやたらに色気がある人、その1。
呪術で力や魔力を封じられているにも関わらずかなり強い。
サラにのみ従順で丁寧な口調だが、他者には恐ろしいほどぞんざい。
サラ以外には全く興味がなく、自分の命すら気にしていない節がある。
面倒なのか性分なのか余計なことはあまりしゃべらない。意外に古風。
欲望に忠実な魔族にしては理性的――だと思う。
◇魔族◇
浅黒い肌に少し尖った耳、金色の瞳を持つ不老長寿の種族。
人に近い姿をしている。
全てにおいて他種族より優れているが数は圧倒的に少ない。
強い上に好戦的で自由で欲望に忠実――と、世間ではあまり良い印象を持たれないが、伴侶にした相手と一生を添い遂げる愛情深い一面もある。
◆カイ=アシュリー(28)・獣人族◆ 白銀色の毛・紫色の瞳
狼の獣人族で純血種。両親の再婚により血は繋がらないがサラとは兄妹の関係にある。
サラに対して妹以上恋人未満のような複雑な感情を持っている。
自分のせいで幼かったサラが大怪我を負い、それ以来過保護まっしぐら。
背中に傷痕が残ったことに対して責任を重く感じている。
王国騎士団所属。サラのことになると仕事を放棄してしまうが、普段は真面目で優秀なため、周囲もある程度許容している。
そのせいで「団長よりも国王よりも血の繋がらない妹のほうが大事らしい」という噂が広まっている。
正体の分からぬレクスに警戒感を持っている。(主に規格外の強さとサラへの過度なスキンシップに対して)
◇獣人族◇
紫色の瞳を持つ、動物の姿で二足歩行する種族。最も多様な姿をしている。
身体能力の高さだけなら魔族に引けを取らないが、魔力がないため魔術は全く使えない。
人間の血が入ると獣人族の特徴が薄れ、人の容姿に限りなく近くなる。
◆ミシェル=ラーグ(32)・人間族◆ 金色の髪・薄青色の瞳
サラの家の大家でご近所さん。常に気怠げな美女。舌足らずで間延びした喋り方。スタイルがいい上に薄着を好むため、やたらに色気がある人、その2。
以前、店子に一方的に好意を寄せられ嫌がらせされたことに対しての反省はしていないらしい。
人は良いのだが、他人の色恋沙汰が大好物。
◆ジークヴァルト=ギーゼン(28)・魔人◆ 白金の髪・金色の瞳
カイの同僚で仲は良い。
温厚な性格と魔族だった曾祖母譲りの美貌で異性同性問わず人気がある。
普段は冷静だが怒りに火が付くと魔族の本性が目覚めるのか、かなり口が悪くなる。
自身も魔人であるため魔族のことには詳しい。
◇魔人◇
魔族の血を引いているが特徴を一部しか受け継がなかった者の総称。
全て特徴を受け継いだ者は「魔族」と呼ばれる。