悪役は暗い場所で踊りだす
出会い頭の事故発生場所の最寄りの高層ビル
「…結局接触しなかった」
スコープを覗きながら、何故か目隠しをするように包帯をグルグル巻いている男がホッとしたようにもう1人に話しかけた
「あぁ、腕時計いじったからな」
と、こちらは若い女の声、何故か両目にクロスするように眼帯を付けている、最寄りの高等学校の女子制服を着て男の近くの椅子に座っている
「うへぇ…黒月には何かしたの?」
男が多少げんなりしながら振り向いた、こちらも最寄りの高等学校の制服を着ている、どちらも制服で、どちらも両目が塞がっているのはきっと近くに人がいたのなら奇妙に映るであろう
「言ったらつまんないじゃん」
「…まぁムノウと接触しなかったのはいいことだ、あっ…」
「ん?仕向けた警官2人が急に腹抱えて倒れたりしたの?」
「…全くその通りだよ…何盛った」
「ちょっとね、いやあこのタイミング、流石ね」
「ちょっと自分で褒めないでくださいよ…」
「まぁ私は何でもわかるわけじゃないんだからね?いきなりムノウがここに乗り込んでくるかどうかは知らないから気を付けて」
「ムノウどもと戦ったことないしな…」
女はスッと立つと
「そろそろ異鶴がATMに向かう頃ね」
と言った
「警官2人を置いて向かってる…行き先は、ATMのある郵便局のようだ」
「行くわよ、鹵獲するわ」
2人が準備を始める