第1話 携帯電話 前編
この話は、主人公が探偵ということから、探偵ものという印象が強いですが、ほとんど日常ものですので、過度な期待はしないでください。
アリスは、中学2年生の女の子。ボブはアリスの同級生で、海外からやってきた男の子。
昔から京都の有栖町で探偵稼業をやっていた数学ヲタクのアリスは、ボブの日本史ヲタクや身長が高い点を気に入り、自宅である古風な洋館に一緒に住むことになった。
第一話 携帯電話
ボブが起きると、時計はすでに9時を回っていた。いつもより2時間遅い起床だった。
「ボブ、ボブ、早く起きなさい!大変なことになっているのよ!!」
「ん?どうしたの??」
有栖がボブの部屋のドアを激しく叩いたので、ドアを開けると、携帯電話が真っ二つに割れていた。
「5年前に買った携帯が壊れちゃったのよ。携帯ショップに行ってくれない?」
「ちょっと待ってて、今日予定ないか確認し・・・・」
言いかけると、アリスがボブを睨んだ。
「・・・わかったよ。今から行くよ。」
アリスは微笑むと、ボブの手を引いて、携帯ショップに向かったのであった。
*
「残念ながら、お客様がお持ちした端末の修理は、部品の在庫がないため、できません」
「えっ。この携帯気に入ってたのにな」
アリスが残念そうな顔をしていると店員さんが
「でも、コドモポイント溜まっているんで、買えますよ」
「コドモじゃないもん!」
アリスが膨れた顔をすると、ボブがなだめようとする。店員さんがボブに向かって、
「では・・・お父様」
「大きくないもん!!」
(続く)
初めて書きます。ですのでお手柔らかにお願いします。