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近くと遠く


 遠くが見える、


 背筋を伸ばして顔を上げると、


 遠くの景色がよく見える。




 近くが見える、


 体を縮めて下を向くと、


 近くの様子がよく見える。




 でもどうして?


 遠くの景色を見ていると、


 近くの様子がよく見えない。


 近くの様子を見ていると、


 遠くの景色がよく見えない。




 僕の大切な物は、


 遠くを見ると近付いてきて、


 近くを見ると離れて行く。




 だから遠くを見ても、近くを見ても、


 なかなか見つけられないんだ。


 いつもいつも僕にはよく見えない。


 でも近くに来るとあったかい、


 遠くへ行くとちょっとさむい。


 だからいつでも遠くを見たり、近くを見たり。




 僕はひたすら繰り返す。


 そうすればいつか見えるかもしれない。


 僕はひたすら繰り返す。


 それが僕の精一杯だから。




 離れる近くと、近づく遠く。


 今日も僕は繰り返す。





ヒトのキモチは難しい。

それでも懸命にそれを探す。

一生懸命なオモイの詩。

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