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第九の問い「攻略はできそうなのか?」

全員の面会が終わったので、最初にいた部屋に戻ったあたしたち。


「俺は、遊びならいいけど、本気の恋愛となるとどうかなぁ……?」

「僕は、暴力をふるう女性はちょっと……」

「論外だ、論外。早く帰れ」

「ちょっとサイズ測っただけじゃんか。ケチな女の子は嫌い」

「ボク、女の人が苦手だから……」

「僕も無理。男性しか愛せない、悲しいハートを持っているからね」


 あたしの目の前で好き勝手に言いまくる、六人のイケメンたち。

 ああ、あたしM属性じゃないからダメです……。言わないで……。


「そもそも、美女だったら行けたと思うよ? なんで顔を変えさせなかったのさ。性格はそのまま、顔だけ変えることも可能でしょ?」


 シェルがもっともな言葉を言う。


「あたしもそう思います! なんでこの顔なんですか?」


 食って掛かると、ふう、と呆れた顔をする王様。


「何を言っているのかね。恋愛ゲームだって、恋する男の子に、『やーいやーい、ブスー』とか言われているだろう」

「それは特殊なものなんです。照れ隠しというか、そんな感じです」

「だって主人公の女の子も、『あたし、不細工だし――』とか言っているじゃないか」

「それは行き過ぎた天然なんです! 自分の顔の良さもわからない天然ちゃんなんです! そういうのが萌えるんです!」


 でも、とまだ言おうとする王様に、あたしは最後の言葉を投げつけた。


「いいですか!? モテる女の条件は、一に顔、二にスタイル、三に胸なんです! 性格なんてどこにもありませんよ!? よっぽど性格がいい人でも、顔がダメだったら恋愛対象から除外されますよ、除外!」

「なにっ!? ……おう……っ……」


 威力はすごかったのだろう。ショッキングな顔をしている王様が、ふらりとよろける。


「そうだったのか……やはり男は顔なんだな……じゃあ、王妃を顔で選ばなかった私はいったい……」

「そうなんですか、あなた」


 思わず口を滑らしてしまった王様に、王妃様がゆらりと近寄る。

 王妃様は、そのまま、人類の最期的な悲鳴を上げた王様を引きずりながら、兵隊を引き連れ部屋を出た。


「……かかあ天下……?」


 あたしが一番しっくりくると思った単語と口にしたとき、頭に衝撃が。


「ったー……何すんのよ!」


 後ろを振り向くと、手をグーの形にした、レイが立っていた。


「何じゃねえだろ、っていうかそれはこっちのセリフだバカ! 男は顔で決めるだぁ? なめんなよ! そういう女のほうが男を顔で決めてるんじゃねえの?」

「もち」


 そっけなく言ったあたしに、レイはもう一度こぶしを振り上げ、そのまま落とす。

 がつん、と見事な音がした。

 いったー……何すんのよ!


「いいかよく聞け。顔で好きなやつ決めるほど、俺たちはバカじゃねえんだよ」


 あ、いい言葉。と、少し感動した時、レイが啖呵を切った。


「俺はお前と真剣に向き合う。だからお前も、真剣に攻略しに来い!」

「え……?」


 フリーズ。空気が凍り付き、背後に「……。」という文字が浮かぶ。

 兄弟たちの冷たい視線を浴びて、しまった、というように口元をふさぐレイ。

 だけど、言葉は取り消せません。


「言ったな……?」


 きらり、と目を光らせたあたしに、レイは慌てて、手で宙をかき回す。

 そんなことしたって、言ったことは消せないもんねー!


「じゃあ、あたしは本気で、お前ら六人、攻略しに行くから、」


 びし、と六人を指さす。

 シェルに回し蹴りを連発されているレイを見て、少し同情してから、続きを話す。


「覚悟しててよ! あたしは、異世界で逆ハーレムを作ってやるんだから!」


 そこで、あたしの目の前の景色が変わった。

 攻略キャラは六人。

 遊び人、天然悪男、冷血人間、小悪魔、女嫌い、そしてホモ女装男子。

 みんな、あたしに対しての印象は、対象外から、多くて十。


「攻略しまくるからね。覚悟しといてよー……」


 それじゃあ、今から本当の、ゲーム・スタート!


「攻略開始っ!」


 あたしは、ポカーンとしている彼らを見ずに、部屋から出て行った。



 Q、攻略はできそうなのか?


 A、今のところは不明だけど、やって見せる!

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