第五十の問い「告白成功か……?」
レイが、パーティー会場に向かっているとは知らずに。
「……なんて言おう……とりあえず部屋を出て、成り行きで告白するとか決めたけど、やっぱりなんか決めたほうがよかったかなぁっ!」
頭を抱え、あたしはコツコツと廊下をゆっくり歩く。窓から見えるお月様は機嫌がいいらしく、見事な黄色だ。
「…………こっちに来て、もう何日なんだろう」
ふと、そう思った。
こっちの世界は時間感覚があまり重要ではないらしい。気が向いたら何かを開催し、飽きたらそれを破棄する。何とも都合のいい時間感覚。
でもあたしはそうは言ってられない。何か月も部屋から出なくてついに乗り込むと少女が消えていた……! って警察沙汰だぞ? きっと帰ってきた世界では新聞にあたしの名前と顔写真が大々的に載っているに違いない。『少女行方不明』って。
そう思うと柄にもなく不安になってきた。そんなことになっていたら軽く片手をあげ「ちーっす」なんて言って帰れない……!
「っていうかそんな状況じゃないよね、あたし! とにかく今は告白に集中して……集中して……」
告白に集中なんてあるのか……? という自分の矛盾している考えを追い払い、あたしは足を速めた。
レイの部屋まで、あと少し。
Q、告白成功か……?
A、不安しかありません。
「……ウォンチ……? いないのか」
黒と白のメイド服を着ている女性が慌ただしく走り回っているパーティー会場だった部屋では、お目当ての明るい色の髪を発見することができなく、落胆とともに少しほっとしていた。
好きな人がいるのに、想ってくれる人を失いたくないなんてな――。
「……あ、ウォンチ見なかったか?」
普段、ウォンチとよくいる、おそらく彼女の友達であろうメイドに声をかける。帰ってきたのはきれい好きの彼女が普段はやるとは思えない意外な返信だった。
「ウォンチならゴミ出しに行っていますよ。自分から率先して」
三度の死よりゴミが嫌い、とでもいいたげなメイド失格なウォンチが自分からやるとは思えない。きっと何か計画でもしているんだろう。――それはきっと、自分がらみなことで。
「……だったらゴミが集められる西門のほうにいるか……? ありがとう、もし帰ってきたら西門で待ってるって伝えといてくれないか?」
それだけを言い残し、レイは会場を出て行った。
☆ ☆ ☆
「……あれ? レイ?」
まだ服を着替えてもいないレイとあった。それはまだ告白の言葉が決まっていないあたしにとって動揺の材料でしかない。思わず壁際まで飛んでしまった。
「……新しい遊びか…………?」
にやりと普段の意地悪そうな笑みを崩さずに、レイは聞いてきた。……これが遊びだと本気でおもっていないことを願おう。あたしはそこまで頭がいかれてはいない。
「……遊びじゃないし」
「ふーん。俺はどうしても幼稚園児のやるお遊びにしか見えないぞ?」
「飛んだだけで遊びだと思うあんたってどうかしてるよね」
「飛ぶあんたのほうがどうにかしてるがな」
「へー。じゃあレイは飛ばないんだ」
「そんなに大げさにはな。そんなことやるバカはお前だけだと思うぞ」
……久々の口げんかっ!
って感動してる場合じゃないよ。
あたしは首を振って何とも言えないこのゆるい空気を変わらせる。そして、今までまじまじと見たことのなかったレイの顔を見る。
……準備万端、保崎秀名引きこもり乙ゲーの達人高校一年生16歳、ついに初めて人に告白します……っ!
いまだにこの作品をフィニッシュさせないダメ作者、星野です
早くくっついてください、土下座します、っていうか誰か終わらせてくださいorz
わたしにはもう次の連載作品が一話出来上がっているというのに……っ!
……はい、すみません調子乗りました
とにかく次は秀名の告白の予定です、あ、ウォンチとレイどうするんだ
おいておくか((