第四十一の問い「トマトは好きか?」
「あれ? どうしたの、チャック全部閉めて。首元隠したい……とか?」
「……な、何を言っているのかな? そんなことないよー」
お水を抱えて部屋に入ってきたあたし。ウォンチさんに絞められた首元。たぶんあとはないと思うんだけど、一応チャック全閉め。
ダサいから嫌だと言っていたあたしが急に反対のことをやりだしたので、不審に思ったのかクロードが声をかけてきた。
ずばりと当てられ、うろたえるあたしをよそに、ウォンチさんはレイにだけお水を渡す。
「どうぞー」
「あ、ありがとう」
すんなり受け取ったレイ。
……こういう時は「あ、俺は保崎からもらうんで」とか言ってあたしの持ってるお水を無理やりとるんじゃないの……?
あ、そんな関係じゃないか。
「えーっと、数えてみたところ、この部屋にいる人数が五人で、ウォンチさんと保崎が持ってきた水の数が四つなんだが……?」
手を上げて聞くソウシ。
そんなこと言われても、ウォンチさんとレイとあたしはもう口をつけちゃったし、残るはソウシとクロードだけ。
「ああ、僕はいらないよ」
にこりと、爽やかな笑顔で汗を拭くクロード。
そしてあたしの持っている水に手を伸ばし、
「僕はこれ、もらうからね」
「死ね」
奴のにんまり顔に右ストレートをお見舞いし、あたしは爽やかに言う。
ひどいね……だか何だか言っていたみたいだけど、聞こえない聞こえない。
「じゃあ僕は新品のもらおう。ソウシが秀名ちゃんと半分こすれば?」
いうや否やあたしの腕の中の新品のペットボトルを奪い、ソウシに提案。
あたしが反論しようと思ったより先に、ソウシの顔が耳まで赤くなる。
……トマト……?
「何恥ずかしがってるのー。ソウシって意外といち」
「最後まで言うなよ!」
表情が読み取れないほどソウシの顔は真っ赤だ。
「そうだ、今日のディナーはトマトでも作ってもらおうかな。今ならすっごくおいしそうに感じるねー」
「そうだな。ちなみに俺は未成年だ。酒には付き合えないぞ、クロード」
「えー? なんでそうなるのさ」
なんだか兄弟げんかになりそうな予感。あたしは二人を引きはがす。
「あ、あたしお水持ってくるね」
部屋を出たあたし。
「あ、俺も……」
「レイ、じゃあウォンチさんと補習」
ぐい、と手首をつかまれるレイ。代わりにソウシが付いてくる。
「な、俺も行かせろーっ!」
Q、トマトは好きか?
A、ディナーに出てきそうだね……まあ、好きだけど