第三十七の問い「ダンスパーティーに向けて……大丈夫か?」
「ダンスパーティー!?」
赤くはれた頬に湿布を張ってもらいながら、あたしはメイドさんに聞き返した。
行き成り動いたので的が外れたらしく、不機嫌そうに「そうです」とばっさり切り捨てられる。
「クロード様から聞いておりませんか? 言いだしっぺはあの人ですよ?」
ずれた湿布をピリピリとはがしながら不思議そうに聞く。
そんなん聞いてないよ……って、痛い痛い痛い!!
「強くひっぱんないでくださいよぉ!」
「保崎さまが行き成り動いたのが悪いのです。ほら、こっち向いていると一気にはがしますよ?」
そういわれると困る。
あたしはいい姿勢で正面を向く。
「……それで……あたし、ダンスなんてできませんよ?」
「あら、大丈夫ですよ。クロード様が教えてくださるようですよ。さあ、これを貼り終わったら廊下で待っているレイ様、ソウシ様と一緒に三階のダンスレッスン室に向かってください」
その言葉がいい終わらないうちに、メイドさんは湿布を貼り終えた。
「さあ、早く行ってください」
ついでにはれた頬をぴしりと叩く。
きいん、と強烈な痛みが体中をめぐる。
「いったぁぁぁぁぁ――――!?」
思わず悲鳴が口の間からこぼれ出ていた。
☆ ☆ ☆
「はぁーい。みんな集まった? じゃあ出席でもとろうか。ダンス音痴のレイ」
「ああ!?」
「女の人のパートしかやったことがないソウシ」
「それを言うなぁ!」
「初心者の秀名ちゃん」
「はぁーい……」
何ともやる気のなさそうな声。
でもあたしだけではないみたいだ。ちょっとほっ。
にしても、ダンスルームって言われたから鏡張りのお部屋かと思ったけど、意外とふつうのお部屋。
「うん。もとはただの部屋だったからね。一つ空いてたから、そのまま使わせてもらうことにした」
あっけらかんとしているクロード。
「ふうん。で? ダンスって? 社交ダンスでしょ? くるくる回ってぱぁーって感じしかしないんだけど……」
その途端。
クロードが思いきり突き出した人差し指が、あたしの顔ぎりぎりに飛んできた。
「!? ちょっ、何!?」
「意外とハードなんだよ! さあ、練習開始」
なぜか熱血モードに入ってたクロードを、あたしは不思議そうに見つめた……。
Q、ダンスパーティーに向けて……大丈夫か?
A、……わかんない……。
「参加します!!」
入口のところで声がした。
見ると、動きやすそうな服に着替えた、――ウォンチさん。
「教えてください! 是非!」
気合十分なウォンチさん。
そんな彼女は、クロードでも止められなかった。
明日から冬期講習で、更新できないかもしれないです><
ごめんなさい;;