第二十四の問い「恋ってなんでしょう?」
「だぁぁぁぁぁっっ!!」
ぼふん!
あたしが投げつけた枕は、豪華な部屋の壁にぶつかり、あたしのほうに戻ってきた。
ゆ、優秀な枕……!
「じゃなくて!」
顔が熱い。
焼肉とかしているときに火照る暑さではなくて、内面から吹き出てくるような暑さ。
この暑さの正体は、知らない。もちろん、原因も知らない。
なので、止める方法も、知らない。
「な、なんか冷たいものでも飲もう……」
そう思ったあたしは、食堂に向かった。
☆ ☆ ☆
「あ」
「あ」
二つ目のセリフは、語尾にオンプを付けた形が正しい。
こいつは忌々しい遊び人、クロード……。
いつもならだらしなく伸ばしている茶色い長髪を縛り、背中に流している。
「これから逢引だからね。でも、秀名ちゃんとおしゃべりもしたいなぁ……」
キラキラが飛んでそうな顔で、吐き気がするような甘いセリフ。
あたしは横を向くと、口を押える。きっと顔は青くなっているに違いない。
「吐き気がするセリフをどーも」
「釣れないなぁ……面白くないぞッ」
つまらなそうにそっぽを向いたクロード。
「別に面白くなくていいんですけど」
シャンデリアの光を受けて光っている冷蔵庫を開き、中から500ミリリットルの水を取り出す。
「いいなあ。おいしそうだね。飲み終わったら頂戴ね」
「誰があげるか、ばーか」
満面の笑みで返す。
すると、クロードが何かに気が付いたかのように、あたしに顔を近づけた。
一応クロードもイケメンだからね。ドキッとします。
「なっ……何……ッ!?」
「いや、なんか顔赤いなーって」
「なんのこと!?」
知らんぷりをしよう。
水を顔の前にやり、シャットダウン。
「…………どうしたの? そんなに顔が赤いの、もしかして、秀名ちゃん、恋しちゃったかもよ~……?」
こっ…………!
より赤面したあたしの反応が面白かったのか、小さく吹き出し、クロードは「遅れちゃうからね」といって、食堂を後にした。
「………………ッ…………」
あとに残されたあたしは一人、ぺたんと床に座り込んだ。
Q、恋ってなんでしょう?
A、未知の世界です。