第二十二の問い「とりあえず、死んでくれないかな?」
最近、忙しくて更新がおろそかになっています……
期末ももうすぐですし……すみません><
ランドさんとジェル君がようやくくっついた次の日。
二人はすぐにお父さんに報告をしに行って、数時間の討論(口げんか?)をしたのち、公認されたらしい。
あたしはその場にいなかったから、あくまでも噂だけどね。
それから、アシルさんは手伝ってくれたからと言って、あたしの逆ハー一人目と偽ってくれた。
そのことを言った時、失礼な長男はびっくりし、ウザい三男はアシルさんのおでこに手を当て、熱がないか確認し、小悪魔――いや、閻魔様の四男はさみしいよーと言いながらあたしに抱き着いてきて、さりげなく胸のサイズを再確認し、常識人の五男は祝ってくれ、男ダイスキ、お兄様ダイスキな六男はあたしにドロップキックをかます。
そして、あたしの雷が落ちたわけだが、まあそのことは省略しよう。
とにかく今は夕方。部屋に戻ったらおやつが用意されていると思うから、部屋に戻ろう。
図書館にいたあたしはそう思い、気に入った本ニ、三冊を抱え、部屋を出た。
その時。
「あっ! 保崎さま! 待っていましたっ!」
部屋を出たあたしに歓喜の悲鳴を上げたのは、長い廊下の先までずらーっと並んだ、メイドさん、兵士さんなど、屋敷につかえている人たち。
「な、なんですかっ!? 何も悪いことはしていないと思いますけど……」
「違います、保崎さま!」
列の一番最初にいた、ポニーテールの元気そうな、あたしと同い年、あるいは少し年上のメイドさんが、キラキラおめめで否定をする。
「あなたはミカ……あれ? ミテ? うーん、ミア……? だったかの恋を、熟しましたね!」
「……ミルさんですか……?」
「ああ、そうです! そんな名前!」
ミルさん、よっぽど影が薄いんだな……。
そんなことを考えていると、列の二番目の、大人の色気ぷんぷんのメイドさんが言葉をつづけた。
「さらに、ランドとジェル様の恋も応援したとか!」
いや、あたしは最初、アシルさんの恋を応援していてですねェ……。
そんなことを言おうか言うまいかと考えていたら、その後ろの、三十代くらいのコックさん。
「しかも、そのお顔でアシルさまを攻略したとか!」
おい、「そのお顔で」は余計だッ!
「そう、それが一番不思議ですわ!」
また、最初のメイドさん。
その言葉はどんどん広がっていき、列に並ぶ人たちが全員、口々にそうそう、とうなずく。
ああもう……。
「…………うるっさーいッ!」
腕を振り上げ思いっきり怒鳴ったあたしに、廊下はしん……と静まる。
「あたしが攻略しようがしまいが関係ないでしょ!? 相手の勝手よ! それに、あたしは好き好んであんな性悪兄弟にハーレムされたくないわよ!」
その時、あたしは、背後から出てきた一人の人物に頭を叩かれた。
思いがけない襲撃にビビったあたしだが、やられたらやり返せという言葉を思い出し、後ろに向かって肘打ち。
「……ッ!?」
すっとんきょうな叫び声を上げたのは、
「レイッ!? なんでいるの?」
「お前の出待ちがいるということを確かめに来たら、また懲りなく俺たちの悪口を言っているのを聞いたから、頭を叩いてやったら、これだ」
おなかを抱えて苦笑するレイ。
少しは悪いことをしたかな……? と思っていると。
「あ、今日のおやつはカロリーゼロのゼリーな。それ以上太ると、屋敷が崩れそうだからな」
あたしの笑いとともに、レイの体は宙を舞った。
Q、とりあえず、死んでくれないかな?
A、うーん、いっそのことあたしが殺ってもいいんだけど。