第二十一の問い「三角関係、決着つく……か?」
今回は長いです……^^;
すみません>< 前後編に分けようと思ったんですが、第二十の問いが長引いたので……
結局、アシルさんは、あたしが泣きやむまで抱いていてくれた。
上からしずくが垂れてきたけど、あたしは空気の読める子なので、言わないでおく。
「……それじゃあ、アシルさんは、これからどうします……?」
何とか落ち着いたあたしは、アシルさんに聞く。
「うーん……とにかく、あの二人は両想いになってほしいな」
そうだろうね。自分はあきらめるんだもん。
「にしても、女性恐怖症のジェル君が、なんでランドさんを好きになったのかな……?」
「ああ、そういえばそうだよね……」
二人で頭をひねっていると。
とんとん、と軽いノックの音がして、振り向くとつまらなそうな顔をしたシェルが立っていた。
「何二人でラブシーンやってんだと思ったら、いきなり頭ひねって……君たち、一体何やってるの?」
ちょうどいい! こいつにジェル君のこと聞こう。
「ねえねえ。ジェル君の好きな人、知ってる?」
「ランドさんでしょ。双子は自然と分かっちゃうからね」
つまらなそうに答えるシェル。
面白くない。
「じゃあ、なんで女性恐怖症なのに好きなの?」
「あいつの女性恐怖症、最初は嘘だったからだよ」
……ん? どういうこと……?
「あいつは女性恐怖症と嘘をついて、ランドを、なぜか一緒にいれる、特別な存在に仕立て上げたんだ。だけど、そのうち、本当に女性恐怖症になって……今のとおりさ」
後半、肩をすくめていうシェル。
「そ、そうなんだ……兄弟でも、気が付かなかった……」
少しショックを受けたアシルさん。
にしてもこの双子は……二人そろって小悪魔かよ……。
「あの二人、両想いなんだよなー。さっさとくっついてほしいんだけど」
「そうですよね……アシルさん……もう、強制させちゃおっかな……」
え!? と声を上げるアシルさん。
にやりと笑い、あたしは朗らかに部屋を出て行った。
☆ ☆ ☆
「あ、レイ」
部屋を出て少しして、あたしはレイを見つけた。
「ちょうどいいところに」
そういって、無理やり腕をつかむ。
「はっ!? おい、離せっ!」
「あんた、協力して」
きょとんとしたレイに、あたしはいたずら笑いを浮かべた。
Q、三角関係、決着つく……か?
A、つかせる!
「ねえ……話って何?」
あたしからちょうど三メートルのところで、冷や汗をかきながら聞く、ジェル君。
「ジェル君、ランドさんのこと、好きなんでしょ……?」
「え? あーっと……えー……」
しどろもどろなジェル君に、あたしは喝。
「はっきりしろ!」
「ま、また? なんかデジャヴュ……す、好きだけど……?」
そういったのを確認して、あたしはある名前を呼ぶ。
「だってー。レイ、ランドさん」
ジェル君が、慌ててあたしが声をかけたほうを向く。
そこには、あきれた顔をするレイと、いつもより顔が赤いランドさん。
「あとは任せるね」
そういって、その場を離れる。
これからどうなるかは、この二人次第だからね。