表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/66

第二十の問い「三角関係はお嫌いですか?」 4

 見 ら れ て し ま っ た。

 最悪な事態、発生中です。


「エマージェンシー!」



 Q、三角関係はお嫌いですか?


 A、いやですぅぅっ!



 あたしが書いた紙を見て、少し顔色を悪くするアシルさん。

 ああ、天然の威力を使ってあたしの妄想だと思ってくれーっ!


「……保崎さん……」


 目を閉じ懺悔するあたしに、うつろな目のアシルさんが聞いてくる。


「これ、本当なんだよね……」


 あたしのヘタな絵を見て、手を震わせる。

 なんて答えたらいいのかわからず、あたしはとりあえずうなずいておく。


「……三角関係ということ……?」


 この質問にも、目をそらしながらうなずく。


「……なんで……ジェルは昔っから、ただのいじられ役だと思っていた……」


 それは、好きな子をいじめたいという小学生的思考なんじゃないですか?

 そんなことを言ったら火にガソリンを入れるみたいなことになるので、飲み込んでおく。

 どうしよう、これでアシルさんがランドさんをあきらめたら、あたしが彼を攻略しなければならない状態になってしまう……。

 あたし、自慢じゃないけど、天然に萌えはするけど好かれる自信はないんだ! あ、何キャラでも好かれないか。一番好かれないのはって意味ね。


 って、だったら半永久的に元の世界に帰れねぇぇーっ!


「あの、アシルさん、まさか、あきらめたりしないですよね……?」


 顔を下げたまま上げないアシルさんに恐る恐る声をかける。

 例の告白のこともあり、今、アシルさんは不利な状態だ。

 この状態でランドさんを振り向かせるのは、結構難しい。


「でも、あたしに任せてください、ちゃんと両想いに――」


 その途端、急に顔を上げたアシルさん。

 びっくりして、あたしは半歩後ずさった。


「もういいよ」


 そういってにこりと笑った彼の目は、疲れ切っていた。


 もういい――なんて、本当に思っているのか――?


「ちょっと……」


 顔を下げたあたしに、びくりとするアシルさん。


「恋愛ゲー達人のあたしに、攻略できないキャラがいるとでもお思い!?」


 急に高飛車な態度になったあたしに、今度はアシルさんが半歩後ずさった。


「何でもやってみるわよ! 顔だけはいいんだから、あたしに任せなさい! ジェルが何よ、あんなのただのビビりじゃない! ステータス的にはアシルさんのほうが上回ってるの! そんな弱気になるなぁ!」


 啖呵を切る。

 その剣幕に、きょとんとしていたアシルさんだったが、やがて肩を震わせながら笑い、あたしの手を取った。


「……くす……じゃあ、頼もうかな……? 恋愛ゲーの達人さん?」


 目に浮かんだ涙をぬぐう。

 うん、悲しい涙じゃなくて、笑い涙のほうが、流すんなら気持ちいいよね、見てるほうも!


「それじゃあ、一から始めよう、ランドさん攻略!」


 まずは、何でジェルを好きになったのか、と、ジェルは誰のことが好きなのか、聞き出そう!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ