アデリーちゃん局長さんに出会う
4部作の導入部分となります。
10分刻みで4話ともアップします。
これは地球の端っこ、南極に住む、目のまわりの白いアイリングがチャームポイントの、アデリーペンギンのお話。
アデリーペンギンのアデリーちゃんは、まだ茶色い綿羽が残る、子どもペンギンです。
「アデリー、起きなさ〜い!」と、お母さんペンギンの、デリーの声が響きました。
アデリーちゃんは、眠たい目をこすりながら、「おはよう〜 お母さん」とデリーに声をかけた。
「おはようアデリー、さあ顔を洗いなさい」と、お父さんペンギンのデュモンが、アデリーちゃんの背中を優しくおした。
「あなた、アデリーはもう少しで巣立ちなんだから、あんまり甘やかしたらダメでしょ!」とデリーお母さんがデュモンお父さんを叱った。
「そうは言っても、アデリーちゃんは、まだ小さいんだから…」とデュモンお父さんがモゴモゴと言い訳をした。
みんなで朝ごはんを食べ終わると、「そろそろ、キョクアジサシの局長さんが、北極から渡ってくるころだね」とデュモンお父さんが、デリーお母さんに話しかけた。
「そうね。白夜の季節が近づいたものね」とうなずいて、「他の島の、ペンギン達の様子も気になるから、局長さんが待ち遠しいわ〜!」とデリーお母さんが応えた。
「白夜ってな〜に?」とアデリーちゃんは、初めて聞く言葉に興味津々。
「南極ではね、冬に太陽が出なくて、ずっと夜の日が何日か続く。これを極夜って言うんだ」とデュモンお父さんが説明をはじめた。
「その反対に、夏には太陽が沈まない日が何日か続く。太陽が沈まなくて夜も明るいままだから、これを白夜って言うんだよ」とデュモンお父さんが、アデリーちゃんを膝に乗せて、優しく教える。
「ふ〜ん、じゃあキョクアジサシの局長さんってだ〜れ?」とアデリーちゃんが、短い羽をパタパタと動かしながらデュモンお父さんにたずた。
「キョクアジサシはね、この南極と北極を行き来する、渡り鳥なんだよ。局長さんは、他の島に住むペンギン達に、お手紙を配ってくれているんだよ」とデュモンお父さんが、アデリーちゃんに応えた。
「ねぇねぇ。その北極ってどこにあるの?アリスおばさんが住んでるロス島よりも遠いの?」とアデリーちゃんが聞くと、「ははは」とデュモンお父さんが笑いながら、「北極は南極の反対側にある世界だから、とても遠くにあるんだよ」と、膝の上のアデリーちゃんを抱きしめた。
『南極の反対側なのに、下に落っこちないの?…北極って不思議』、とアデリーちゃんは首をひねった。
外を見ると、白夜の訪れを告げるかのように、南極の白み始めた空に、キラキラと輝くオーロラの光のカーテンがゆらめいていた。
ーーーーーー
「郵便だよ〜!!」
ある朝、赤いクチバシが鮮やかな、キョクアジサシの局長さんが、アデリーちゃんの巣に郵便を持ってやってきました。
デリーお母さんが局長さんに、「今年も無事に会えてよかったわ」とあいさつした。
「デリーさんもデュモンさんも、お元気そうでなにより。お手紙は、フンボルトペンギンのボルトさんと、マゼランペンギンのマゼばあさんからですよ」と手紙を渡した。
「みなさん、元気そうでしたか…」と話すデリーお母さんのとなりで、アデリーちゃんは初めて会う局長さんに興味津々です。
「局長さん、局長さん、お空を飛ぶってどんな感じ?」
「他の島のペンギン達も、アデリーと同じで、お魚が大好きなのかしら?」
と、アデリーちゃんの興味はつきません。
「みんなのお手紙を配り終わるまで、お話は待ってね」と局長さんが笑いながら、あとでお話をしてくれる約束してくれました。
その日の夕方、約束どおり、局長さんがやってきてくれました。
アデリーちゃんは、局長さんと一緒に、ご飯を食べながら、旅のお話をいっぱい聞いて、大満足でした。
「さあ、そろそろ眠る時間だよ。歯みがきをしておいで」とデュモンお父さんが、アデリーちゃんにおやすみのキスをしました。
アデリーちゃんは、お布団に入って、局長さんのお話を思い出しながら目をつむりました。
おやすみなさい、アデリーちゃん。
いい夢が見られるといいね。
初めて書く童話ですが、出来れば小さい子供さんにも読んでもらいたいな、との思いから句読点と平仮名を多めにして、漢字には全てルビを入れました。
大人には読みにくいかも?ですが、ご理解をお願いします。
アデリーペンギンのアデリーちゃんですが、『コウペンちゃん』に同じアデリーペンギンのアデリーさんと言う大人設定のキャラクターがいます。
名前の変更も考えましたが、わかりやすさを重視してアデリーちゃんを採用しています。




